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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

風邪と新型コロナウィルス/2020.3.11

前回に続いて時事ネタである。「PCR検査をしろ」という主張は徐々に収まりつつある。世界では安易に検査をしないという方向に舵を切ったようだ。「みんながそうだから」で主張を引っ込めるのは見苦しい。言いっ放しでほっかむりしている。さて、今回の記事は参考にしたデータ元を記した。いわゆるエビデンスというやつである。
※1国立感染症研究所NIID  ※2一般社団法人 日本呼吸器学会 文末や文頭に※1とあればその箇所は国立感染症研究所のサイトの引用である。太字部分は筆者によるもの。また「ウイルス」「ウィルス」と統一されていないが元データの表記のままである。

現在混乱している主な原因は、この新型コロナウィルスがただの風邪ではなくSARSやMERSの再来ではないかと恐れているからだろう。その辺を探ってみたい。まずは「風邪」からだ。

最初に。「風邪」という病気はない。なぜならそれらはウィルスや細菌による感染症の総称だからである。「かぜ症候群※2と呼ぶのが正しいのだ。そもそも少し前まではなんでも「風邪」で済ませてきた。今回の件で「スペイン風邪」がよく話題に出るが、あれはインフルエンザであって「風邪」ではない。そして「鼻風邪」は花粉症である。

では「かぜ症候群」とはどういったものなのだろうか。

「一般に鼻腔から喉頭までの気道を上気道といいますが、かぜ症候群は、この部位の急性の炎症による症状を呈する疾患をいいます。時として、この炎症が下気道(気管、気管支、肺)にまで波及していくことがあります」※1

そして、かぜ症候群の原因微生物は
80〜90%がウイルスといわれています。主な原因ウイルスとしては、ライノウイルス、コロナウイルスが多く、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが続きます。ウイルス以外では、一般細菌、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミドフィラなど特殊な細菌も原因となります」※2

文中に「パラインフルエンザウイルス」とあるが本家の「インフルエンザ」とは関係がないので注意を。上の文書の続きは「『コロナウィルス』は『かぜ症候群』の一つであり、風邪の10〜15%(流行期35%)はこれら4種のコロナウイルスを原因とする。冬季に流行のピークが見られ、ほとんどの子供は6歳までに感染を経験する。多くの感染者は軽症だが、高熱を引き起こすこともある※2」となる。

次は「SARS(サーズ/致命率9.6%)」と「MERS(マーズ/致命率34.4%)」である。この両者ともコロナウイルス※1なのだが、「かぜ症候群」の「コロナウィルス」とは明確に区別されている。感染症法で2類に指定されており、バイオセーフティレベルはエボラのすぐ下のレベルである。おとなしい「コロナウィルス」との違いはヒトに蔓延している風邪のウイルス4種類と、動物から感染する重症肺炎ウイルス2種類が知られている※1」とあるから、人から人へ感染するのではなく、動物から人へ感染するウィルスだということだ。コロナウィルスは4種類(人由来)+2種類(動物由来)で6種類となり、今回の新型を加えると7種になる。

では新型コロナウィルスについて
①新型コロナウィルスはコウモリから人へ感染したという説が取りざたされているが、まだ確定していない。
②動物由来だとしてもSARSなどと比べても致命率が3〜5%前後(まだ確定はしていない)なので低い。適切な薬が作られればもっと致命率は下がるだろう。その目星はついているようだ。
③致命率がバラバラなのはウィルスが変異したからだという話も聞くが噂の域を出ていない。毎年のようにインフルエンザが流行るのは変異するからだが、人類はそれを予測してワクチンを製造している。

今でも「風邪」という呼び名が通用するのは我々がそれで納得するからだろう。「ただの風邪ですね」と言われれば安心して治療に専念できるのだ。それがどんな種類のウィルスや細菌によって引き起こされたかということには関心がないのである。 それなのに何で今回だけそんなに知りたがるのか。

少しずつ増える死者数を見て不安になる人がいるが、ワクチン(流行する型に対応した)も薬があるにもかかわらず、インフルエンザが毎年流行し千人ほどの死者を出すことを忘れている。また、渡航規制やスポーツ観戦などの自粛要請(強制力はないが)などを見て、ますます不安を募らせるが、これはウィルスが危険極まりないものだからではなく、ただ感染が広まらないようにすることが目的なのである。この処置は薬がないことへの対抗策である。

薬さえあれば1週間程度でウィルスも死滅する。今は薬がないので自らの抗体をもって2週間の戦いに挑まねばならない。この期間が社会生活に混乱を引き起こすのだ。会社から1人が2週間いなくなるだけで影響は出る。コンビニの店員が発症すれば他の者も2週間店に出られないし店も休業である。他の者の検査をすれば、そんなに休まなくてもよさそうに思われるが、検査をしたとしても初期の感染だと見逃すことが多い。そのまま営業を続けた場合に、隠れていた感染者がいたりすればウィルスをばら撒くことになる。過疎の町に1人しかいない医者が2週間いなかったらどうなるか。警察官や消防士など社会の基盤を支える者が感染したらどうするのか。ましてやそれが集団感染となれば大変なことになる。消防士が減れば3台来るはずの消防車が1台になるかもしれないし、救急車やパトカーは他所から回すので到着が遅れることとなる。それどころか誰も来ないという状況になりかねない。

上に「かぜ症候群としてのコロナウィルスはほとんどの子供に感染する」とあった。つまりほとんどの子は4つのコロナウィルスのどれかの抗体を持っていることになる。子供はやがて大人になる。つまり、あなたの中にも「かぜ症候群」のコロナウィルスの抗体があるのだ。それに「かぜ症候群」のコロナウィルスはおとなしいように思う。変異をして勢力をのばそうという野心はうかがえない。それよりも波風をあまり立てないようにして人と共生する道を選んだかのように思える。もちろん相手は生物である。いつ爆発するか分からない。でもそれは我々の体内にいて共生している無数の細菌にも言えることである。

今回の新型コロナウィルスは「かぜ症候群」のような大人しいウィルスになることはないだろうが、SARSやMERSのような凶悪さも見られない。やがて治療薬やワクチン、検査キットが揃えば、インフルエンザ並みの病に落ち着くのではないか。それともSARSやMERSのように人前からは消えてしまうのか。それはそうと「子供は新型コロナに感染しない」というデマはどこから来たのだろうか。

1年前の自分に問うてみてほしい。なんだか体がだるく熱があり咳も出て喉も痛い。おそらくあなたは風邪をひいたと考えるだろう。ではどうする。答えは3つ。「熱があっても休めないあなたに」とか「熱、のど、鼻に●が効く」の市販薬を飲むか、何もしないか、医者に行くかである。大抵はこれで治る。症状が激しいとインフルエンザのおそれもあるが医者にかかれば治る。1年前ならこれが普通である。PCR検査をしてくれと頼む者などいない。
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