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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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コキア/秋田県の名物といえば

コキア(ホウキギ/箒木)/ ヒユ科(以前はアカザ科)/ホウキギ属
南ヨーロッパ原産 古い時期に渡来(平安時代にはあった) 1年草 花期は8〜9月 草丈は1m 別名は「ホウキグサ」 学名:Bassia scoparia (L.) A.J.Scott、Kochia scoparia (L.) Schrad.(シノニム) 英名はsummer cypress

これは見たことがあるな。茨城県にある「国営ひたち海浜公園」に生えているやつだ。ネットで見たことがある。はっきりと記憶に残っていたのは、国営の公園ともあろうものが外来種をこぞって植えるとはいかがなものか、と思ったからだ。だって「コキア」という名は外来種としか思えないじゃないか。つい最近、たまたま見つけて写真に撮った。ついでだから少し調べてみると在来種といってもいい植物であることが分かった。平安時代の10世紀の始めにはすでに栽培されていたそうだ。これを外来種と呼ぶのなら「朝顔」も「菊」も「水仙」も外来種である。ただ、正確には外来種であるが心情的にも日本の花といってもいいだろう。

どこからか種が飛んできたのだろう。コンクリートの隙間から生えている。赤くなっているのは花ではなく紅葉しているのである。

「コキア」は学名から来ており、これはドイツ人の植物学者の名前である。「ホウキギ」はこの植物を「箒(ほうき)」として利用したからである。

こちらもコンクリートやアスファルトの隙間から生えている。下に木が置いてあるのは植物の根元を保護するために誰かが置いたのだろう。効果があるかどうかは分からないが木を置いた人の優しさは伝わる。

この植物の実は「とんぶり」と呼ばれている。「畑のキャビア」というコピーとともにスーパーで売られているので知っている人も多いだろう。ただ、公園に植えられているのは観賞用の「コキア」で、実が採れるのは昔からある「ホウキギ」だ。まあ元は同じなんだけど。

この「とんぶり」は秋田県の名物の一つだ。その昔、飢饉の際の救荒植物の一つとして殿様が奨励して作らせたという。それが今に伝わっているのである。「とんぶり」の「とん」は「唐(昔の中国)」で、「ぶり」とは魚の「ハタハタ(鰰)」の卵(ブリコ)のことである。「唐の卵」とはいささか妙な気がするが、それを商品名と考えれば当時は高級な感じがしたのだろう。なんせ当時の中国は高度な文化・文明を持つ先進国だったのだ。

「とんぶり」は大根おろしやとろろに混ぜ込み、それを醤油味で食べるのが美味しい食べ方だという。ただ、この「とんぶり」は漢方薬の側面を持ち「強壮、強精、利尿」の効果があるらしく、それゆえ食べ過ぎは禁物である。なるほど、飢饉の際には役に立っただろう。

この植物は「ヒユ科」だが以前は「アカザ科」であった。この「アカザ科」から思い浮かんだことがある。下の写真を見ていただきたい。

同じ「ヒユ科」の「コアカザ/アカザ属」である。実を食用にする。佃煮のように加工して利用するという。「とんぶり」に似ている。

写真:zassouneko
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