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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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アゲラタム?ユーパトリウム?/キク科の見分けは難しい/2019.9.6

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・アゲラタム(アゲラータム)/キク科/アゲラタム属 和名はカッコウ(藿香)アザミ
・ユーパトリウム/キク科/コノクリニウム属 和名はセイヨウフジバカマ

この草の正体に関して最終候補に残ったのがこの2種であるが、よく似ているので判別できない。両者とも原産地はアメリカの辺りである。詳細は省く。

「アゲラタム」は1860年に遣米使節団が種子を持ち帰ったという記載を見つけたが、「ユーパトリウム」の渡来時期は不明である。和名が付いているので、やって来たのは昭和もしくはそれ以前ではないかと思われる。「ユーパトリウム」が面倒くさいのは和名がいくつもあることだ。上記の他に洋種フジバカマ、青色藤袴、青花藤袴というのもある。統一してくれと思う。それらをいちいち調べるこちらの身にもなってほしい。

去年の夏、この花を飯田町近くの公園で見つけた。今年も同じように咲いている。ここは公園というより広場と言った方がいいかもしれない。震災時の避難場所にもなっていて、少し前にはテントを立てて防災訓練をやっていた。園内の中心部は砂地だが、周囲にはヤマブキなどの植物が植えてある。

人が植えたものか勝手に生えてきたのかも不明である。「公園なら人が植えたに決まっている」と思われるだろうが、以前この場所でカヤツリグサ科アゼスゲ属の「アゼナルコ(またはアズマナルコ)」らしきものを見つけている。それも数本ではなく、ひと抱えもありそうなほどみっしりと大株で生えていた。普通なら公園にカヤツリグサのような雑草をわざわざ植えない。そんなもの園芸店でも取り扱ってはいないだろう。なので、ここは何が生えてくるのか分からない場所というイメージを私は持っている。

とは言っても「やっぱり園芸種だろうな」と思っていた。だから名前を調べることはしなかった。風向きが変わったのは他の場所でも見つけたからだ。しかも空き家の前のコンクリートの隙間から生えていた。こりゃ帰化しているんじゃないだろうか。というわけで調査開始である。
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コンクリートの隙間から生えている。公園からは1kmほど離れている。

帰化しているとはっきりと記載があったのは「アゲラタム(カッコウアザミ)」である。この「カッコウ(藿香)」とはシソ科の「カワミドリ」という草を生薬にした時の薬品名である。その「カワミドリ」に似ているから「カッコウアザミ」になったという。えーと「アザミ」はどこから来たんだ? この花に棘は無いぞ。一応「カワミドリ」の写真を見てみたが、ほとんど似ていない。「カワミドリ」の花は唇型で、長い穂に連なって咲く。葉は似ているといえるが、シソ科はどれも同じような葉を持っている。あえて似ていると言えば花の色かな。命名の動機としては弱い気がする。

一方の「ユーパトリウム」である。和名に「〜フジバカマ」とあるのは、日本の「フジバカマ」と同じ「ヒヨドリバナ属」だったからで、姿形にも共通するものがある(フジバカマ Eupatorium fortunei/キク科/ヒヨドリバナ属」秋の七草)。「ユーパトリウム」という名前も「Eupatorium(ヒヨドリバナ属)」からである。「だった」と書いたのは、最近の調査で「ヒヨドリバナ属」から「コノクリニウム属」に変更になったからである。だから、これからは「ユーパトリウム」ではなく「コノクリニウム」と呼ばなければならないことになる。

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2種について調べなければならなかったので手間がかかった。しかも結論は「どちらか分からない」のである。やれやれ。とりあえず2つに絞れたということで良しとしようか。

写真:zassouneko
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