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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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アレチケツメイとオジギソウ/2018.9.2

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アレチケツメイ(荒地決明)/マメ科/カワラケツメイ属
北アメリカ、西インド諸島原産の帰化種 新しい帰化植物なので情報が少ない。「カワラケツメイ」を参考にすると、多年草で花期は8〜9月 草丈は30〜60センチといったところかな。

最近(2006年に研究誌に発表されたそうだ)になって、名前がついた出来立てほやほやの帰化種である。在来種の「カワラケツメイ(河原決明)によく似ていたので誰にも気付かれず、そのせいで発見が遅れたのではないかという話もある。河原に生える「カワラケツメイ」に対し、こちらは荒地に生えるので「アレチケツメイ」と名付けられたという。河原も荒地もそう変わらんような気がするが。

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かなり前から、この雑草は何度も見かけていた。葉の形が「オジギソウ」にそっくりなのだ。だから見かけるたびに葉を触っていたのだが、お辞儀はしないのである。そりゃそうだ、「オジギソウ」ではないのだから。気にはしていたが、花を見かけたことがなかったので、あえて調べようとは思わなかった。

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こちらは「オジギソウ」。葉に触れるとお辞儀をする。

これらの植物たちは全て「マメ科」だそうだが、私が持っている「マメ科」のイメージとはずいぶんと違う。「マメ科」の植物は茎の先端にツルがあると思っていたのだ。

この雑草は葉の付け根に「蜜腺」があり、そこから蜜が出る。なので、触っていると手が蜜でベトベトする。何でそんな所から蜜を出すのかと言うと、アリを誘っているのである。アリを引き寄せて、葉を食べる虫を捕食してもらうのである。同じ「マメ科」の「ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)」も「蜜腺」がある。

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白い円の中に黒っぽく写っているのが「蜜腺」。小さくて見えないが、拡大すると「キノコ」の形をしている。「カワラケツメイ」の方はお饅頭のような形である。

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上の写真は「ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)」

「ツマグロキチョウ」という蝶々がおり、地域によっては絶滅危惧種となっている。この蝶々は「カワラケツメイ」を食草としているが、帰化種の「アレチケツメイ」も食べるという。昆虫は頑固者が多く、「この草しか食わん!」と決めたら、本当にそれしか食べない。だから、その草が絶滅してしまったら、一緒に絶滅するのである。だが、「ツマグロキチョウ」は食草の選択肢が増えたので、絶滅の危機からは遠ざかったといえる。逆に言えば、それほどこの両者は似ているということだ。外来種も日本の自然の役に立つことがあるんだな。

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1枚だけ、ひときわ大きな花弁がある。花を顔に例えれば下顎の部分になる。これが「アレチケツメイ」の特徴の一つである。

「アレチケツメイ」と「カワラケツメイ」の違いは「蜜腺の形」と「花弁の形」で区別ができる。それを写真付きで紹介しているサイトがあるので、そちらを参考にしていただきたい。

この記事を書いている時から「決明」という名前が気になって気になって。その詳細をここに書こうと思ったが、長くなってしまったので別記事に書きます。

写真:zassouneko
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