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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

ヤブガラシの戦術

ヤブガラシ(藪枯らし)/ブドウ科/ヤブガラシ属
在来種で多年草。花期は6〜8月。別名ビンボウカズラ

名前の由来は藪を覆い尽くし植物を枯らしてしまうからだそうです。本当かどうかはわかりません。夏になると小さなパステルカラーの小花をつけるので目にとまります。立ち木や塀やフェンスなどに巻き付いています。

ライムグリーンに見える部分が花で中央のオレンジ色は花盤(盤状の花托)といいます。花びらは早くに落ちてしまい、花盤だけが残ります。花盤はやがてピンク色に変化します。この花は昆虫たちに大人気です。人気のわけは蜜をたくさん産出するのと、花盤の部分がお皿のようになっており蜜が溜まりやすいからです。長い口吻(蝶々など)も必要なく直接蜜にありつけるのですから、あらゆる昆虫が集まってきます。ゆえに受粉は簡単です。
葉が特徴的で図のように5枚で1セットになっており、これを鳥足状複葉といいます。この草は2〜3mにも成長しますが、小さな頃から、この葉の特徴は現れていますので判別は容易かと思います。

別名を「ビンボウカズラ」というのは、金を惜しんで庭の手入れを怠ると、やがて家屋を包み隠すまでに繁殖し、見苦しい状態になってしまうからです。それが転じて、空き家や廃墟が覆い尽くされている様を「この草が生えたから没落してしまった」からだと考えたのでしょう。庭の手入れの必要性を説いたわけですね。

この草は多年草で地表部分を刈り取っても根が残っていれば、また生えます。ほうっておけば根が横にのびていき次々と新しい芽を作ります。家を覆い尽くすなどは「ヤブガラシ」にとっては簡単なことなのです。

イラスト&写真:zassouneko
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