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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

PCRはウィルスを判定する装置ではない/2020.3.9

雑草ブログとは関係ない話題だが、たまにはいいかな。
「PCR検査をしろ」とやかましい人たちがいるので記事を書いた。専門家ではないので間違いがあるかも知れないがご容赦を。

最初に。この機器を使っても「ピーッ、コロナウィルスデス」と報告があるわけではない。判定結果がプリントされることもないし、ディスプレイに「陽性」と表示されることもない。あるとすれば「作業終了しました」だろう。機器が喋るかどうかは知らんが。

PCRとは「Polymerase Chain Reaction」のことで、これを訳すと「酵素連鎖反応」になる。つまりこの装置は「酵素を連鎖反応させる機器」なのである。人の手のひらが雑菌だらけだと証明するのに寒天培地を使う方法がある。寒天培地に手のひらを押し付けて、その培地を適切な温度で培養すると菌が繁殖し、目でもはっきりと確認できるようになる。また、空気中を漂うカビの胞子は見えないが、風呂場などで繁殖すると目につくようになる。

そこでPCRである。この機器は雑菌ではなくDNAを培養(正確な表現ではないがご容赦を)するマシンなのである。つまりPCR機器は寒天培地と同じようなものなのだ。ただ、カビは目で見てだいたいの種類が判断できるが、DNAは1億倍に増やしてもドロッとした塊になるだけだ。それがコロナウィルスのものかどうかなど判断できない。それに加えて、鼻の奥や喉から採った検体にはウィルスばかりでなく、人の細胞のDNAが大量に含まれているのである。

DNAはハシゴのような構造をしている。それを下から1段、2段と数えていくと、長いものだと1億段をはるかに超え、短いハシゴでも5千万段はある。一段を30センチだとして1億段だと長さは、えーと、計算は任せる。そしてDNAは熱を加えると左右にきれいに分かれる。これは切れて壊れてしまったのではなく、また同じ場所同士がくっつくことができる。

ハシゴが左右に分かれるのはそれぞれの段が違うものでできているからだ。それがA(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)である。最近はこれに加えてU(ウラシル)というものがあるらしいが面倒なので無視する。それはとにかく。この4つは面白いことにAとT、GとCが必ずペアになる。ハシゴの右がAなら左の同じ段はTになり、Gなら反対側はCである。右がAATTCCGGなら左はTTAAGGCCなのだ。Aが10続けば反対側はTが10続く。律儀である。

ではDNAで親子関係を判定できるのはなぜなのか。人間のDNAは誰でもほとんど同じであるが、違っている箇所もいくつかある。人の顔形が異なるのはそのためである。一卵性双生児は同じ顔なのは遺伝子が同じだからだ。そして違いをもたらす箇所は23対46本の遺伝子のうちの何番目の何段目から何段目ということになるが、現在ではそういった箇所が数多く発見されている。親子関係を調べる場合、DNAは親から子へ受け継がれているので(父母で半分ずつ)、DNAの特定の箇所だけを培養してそれを電気泳動法にかけて出てくるパターン(画像を検索してね)を比較するのである。親子なら同じパターンになる。

上に「特定の箇所だけを培養する」と書いたが、なぜそんなことが出来るのか不思議に思われる方もおられるだろう。答えは簡単である。その箇所だけを1億段もあるような梯子から切り取るのである。狙った箇所を切り離す酵素があるのである。そしてDNAの「離れる、くっつく」という性質を利用して数を増やすのだ。その方法は以下のとおり。

まず目的の場所のDNAを切り離す。例えば右がAATTCCGG、左TTAAGGCCのような8段のハシゴを切り出したとする。そこに別に用意したATCGをたっぷり入れる。このATCGは深海に生息しているバクテリアのものを使うと本で読んだことがあるが、今もそれを使っているかどうかかは知らない。さて、入れるのはいいが、そのままでは何も起きない。そこで、熱を加えてハシゴを左右に切り離す。これを冷やすと、再びくっ付こうとするが、そこにあらかじめ入れておいたATCGが右と左のハシゴにくっついて新しいハシゴを完成させる。右のハシゴ+入れたATCG、左のハシゴ+入れたATCGで2本のハシゴが出来る。そのハシゴをまた切って、ということを繰り返すと同じハシゴがどんどん増えていくわけである。ついでに別の段数のハシゴも増やす。こうしてできたものを電気泳動法(検索してね)にかける。それを目視してウィルスのパターンかどうかを判断するのである。

こうして見ると手作業がほとんどを占める。つまり技術と経験と要領が必要とされるのだ。本当はもっと多くの行程があるのだが略した。今回の場合もコロナウィルスだからあまり手間がかからないで済んでいる。これがエボラともなると大変である。ちょっと想像してみてほしい。検体の入った容器の蓋をあける振動でもウィルスは簡単に舞い上がるのだ。それが外に漏れたらバイオハザードの世界である。

マスコミなどは「PCR検査を受けさせろ」と盛んに主張するがアホである。それを検証していこう。
❶コロナウィルスはよく知られていて7種ほどあるという(新型を含む)。毎年、そのうちの4種に多くの人(主に子ども)が感染するが騒がれるような被害は出ていない。SARS、MARSは駆逐したようである。もし1人でも感染者が見つかったら世界的なニュースになる。
❷今回のは新発見のコロナウィルスである。そのため性質や特徴のすべてが解明されていないが、毒性は今までのものと変わらないようだ。ただ、遺伝子は解明されているのでPCR検査ができるのだ。
❸感染しても症状が軽い者が多い。また、発症しない(気付かない)者もいる。
❹検査の精度がまちまち。よくて70%、ひどいと30%程度という話である。「あなたは30%の確率で感染している」とは「70%の確率で感染していない」ということにならないか。これでは喜んでいいのかどうか分からないではないか。
❺検査の精度がよくないのは「検体を採取した箇所にウィルスがいなかったか、いても数が少な過ぎた」のが原因だろう。また、陰性が陽性になったり、おまけに偽陽性や偽陰性というのも聞く。それでも重症化したらウィルスがたくさん増えている証拠なので正確に判定ができるだろう。
❻そもそもPCR検査はコロナに特化しているというわけでもない。インフルエンザや他のウィルス、細菌だってPCRで検査することできる。それをしないのは精度が高く安価な検査キットがあるからだ。今回のコロナにはそれがないし、他の手段がないからやっているのである。
❼症状が出ていない場合は感染していないのだから検査の必要はない。だからといって人が多く集まる閉鎖空間にのこのこと出かけるのは止めるように。潜伏期間かも知れないと考えたらおとなしくしていればいい。ウィルスが出ている恐れもあるので他人にうつさないような配慮が必要だ。
❽熱や咳などの症状が出ている場合は医者に行けばいい。そしてインフルエンザの検査を受けること。まあ何も言わなくとも医者はインフルエンザの検査をするだろう。コロナより1000倍(適当だが)ぐらいは流行しているからだ。
❾診断がインフルエンザでなかったら、他のウィルスか細菌によるいわゆる「風邪」だろう。ならば薬を貰って寝ていればいい。それで治らなかったり肺炎でも発症すればPCR検査ということになる。残念なのは、検査して「コロナ感染」と判明してもコロナ専用の薬はないのである。抗ウィルス薬と肺炎の薬、あとは自らがもつ免疫細胞を信じて頑張れ。

なんでそんなに正確な病名が知りたいのか不思議である。全国のインフルエンザの感染者数が発表されたりするが、それは正確な数ではない。風邪だろうと考えて病院に行かずに市販の薬で治した者が多くいるはずである。医者にかかって診断を確定しないと患者数にはカウントされないのだ。中程度の地震があった時に「地震に驚いた人が転んで足を負傷しました」などという報道があったりするが、「その情報いる?」と思う。関係のない話に思えるが私の中では繋がっている。変かな?それはさておき。今回の事態が騒がれているのは新種のウィルスだということでワクチンも専用の薬もないことだ。それでも被害が突出しているという状況ではないように思う。

昼過ぎから書き始め、何度か見直したが文章がまとまらない。面倒くさくなったので投稿した。先頭の10行ぐらいを読んでもらえればこと足りる。

zassouneko
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