ナタネタビラコ(菜種田平子)/キク科/ナタネタビラコ属ヨーロッパ原産の帰化種 1年草 花期は夏から秋
「1959年に神奈川で見出された」との記載がある。その後、東海地方を中心に帰化が進んだという。ここは名古屋だ。条件は合っている。さて、「タビラコ(田平子)」とは「田んぼの近くに生える平らで小さな(=子)植物」という意味だが、そのものズバリの「タビラコ」という名の植物はいないのである。考えてみればそんな姿をした植物はたくさんいるのだから、どれか一つをそう呼んでしまう訳にはいかないのだろう。「タビラコ」とは形容詞と考えてもいいだろう。
「田平子」は分かったが分からないのが「ナタネ(菜種)」である。普通は「菜種」というと「菜の花=アブラナ(油菜)」のことを指す。だが、その「アブラナ」と似ているところは見当たらない。なんで「ナタネタビラコ」なんだろうか。油が採れるのかな。小さいのでコスパは悪そうだが。そもそも「菜種」も「田平子」と同様にアバウトな言葉である。「ナタネ」は「菜」の「種」であるから、名前に「ナ(菜)」がつく植物の種全部が「ナタネ」なのである。
「タビラコ」とつく植物にはオニタビラコ(鬼田平子)、コオニタビラコ(小鬼田平子)、ヤブタビラコ(薮田平子)、そしてナタネタビラコ(菜種田平子)などがある。ナタネタビラコ以外は在来種である。また、オニタビラコのうち、全体に赤紫色っぽくなるのをアカオニ(赤鬼)タビラコ、青(緑)のままなのをアオオニ(青鬼)タビラコとも言う。
オニタビラコは大きくて見ためが凶暴(※主観です)そうなので見分けがつくが、問題は他のタビラコである。その区別は花びら(舌状花)の枚数で判断できるという。コオニタビラコの舌状花は6〜12枚、ヤブタビラコは15〜20枚である。そうなるとこの植物はヤブタビラコの可能性がある。ここに載せた写真だと小さくて見えないが実際は花弁が20枚近くあるものもいる。また、ヤブタビラコは花が終わると種子の部分が下を向くそうだ。それに写真を見比べる限りでは茎がヤブタビラコよりかなり細い感じがする。なのでナタネタビラコにした。これが正解だといいが。在来種か外来種かで迷った場合、なぜか外来種の方を選んじゃうんだよなあ。
これも「ナタネタビラコ」なんだろうか。他と比べて花の数がとても多い。環境が良いとこうなるのかな。
写真:zassouneko