忍者ブログ

雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

コバンソウとヒメコバンソウ

左:コバンソウ(小判草)/イネ科/コバンソウ属
ヨーロッパ原産 1年草 10〜60cm(1m以上)。別名はオオユレグサ、タワラムギ。
右:ヒメコバンソウ(姫小判草)/イネ科/コバンソウ属
ヨーロッパ原産 10〜60cm程 別名はスズガヤ 花期は4〜6月
上:コバンソウ 下:ヒメコバンソウ
ヨーロッパ原産(地中海沿岸という説もある)で観賞用として持ち込まれたようです。現在では世界中に広まっている。どうやらヒメコバンソウの方が先に日本に来ていたようで、一説には江戸時代との記述がありますが詳細は不明です。江戸時代初期から続く長崎の出島を通してオランダ人が持ち込んだのかもしれません。コバンソウは明治初期に渡来しました。

ヒメコバンソウの別名はスズガヤといい、振ると音を立てるからだそうですが、ぺんぺん草(ナズナ)もそうやって遊んだりしますね。ただ鈴の音に例えるのは強引な気がします。ガヤはカヤ=茅で、チガヤ(イネ科チガヤ属)、スゲ=菅(スゲ属全般を指す。カヤツリグサ科)、ススキ(イネ科ススキ属)などの総称です。カヤは茅葺き屋根などに使われる植物ですが、油分があり水をはじく性質がありますので屋根や笠に使用された訳です。スゲは時代劇などでお馴染みの菅笠が有名ですね。イネやムギでは水を吸ってしまうので使えません。またカヤを萱と書くのは誤りで、萱はユリに似ているワスレグサ(ワスレグサ属)を意味します。

縁起の良い小判の形
名前にコバンとつくのは貨幣である小判に似ているからで、コバンソウに比べて小さいからヒメ(姫)コバンソウという訳です。この名前の由来に関しては疑問があります。コバンソウは明治時代に入ってきたので、すでにヒメコバンソウ(江戸時代に渡来)は日本にあったはずなのです。コバンソウ自体が日本にはそれまでは存在しなかったので、大きさを見比べて「ヒメ」と名付けられたわけではない筈です。パンダ(白黒のやつです)とは当初レッサーパンダのことでしたが、後になって白黒のが発見されたので、大きさを比べてジャイアントパンダと名付けられました。このことからもわかるように姿・形が似ているものは先にあったものと比べて名前が付く場合が多々あります。なのでこれらの名前は明治以降に名前がつけられた(両方を見比べて)と考えています。その際にスズガヤと呼ばれていたのをヒメコバンソウと呼ぶようになったということです。ヒメコバンソウは小判に似ているとは言い難いですしね。コバンソウも小判と言うよりは昆虫や三葉虫の化石に見えます。
上:コバンソウ 下:ヒメコバンソウ
追加と訂正:写真を追加しました。(2015.12.12)
写真&イラスト:zassouneko

PR