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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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蒲公英とは何だ/タンポポと神話/2020.3.19

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タンポポ(蒲公英)/キク科タンポポ属
在来種と帰化種 別名フチナ、グヂナ、ツヅミグサ(鼓草) 上の写真は「ニホンタンポポ」。

「タンポポ」は漢字で書くと「蒲公英」である。この「蒲公英」は中国語だが、それを日本でも使うことにしたのだ。というより、当時は中国の文化の方が進んでいたし、両国とも同じ漢字を使っていたのでそのまま採用したのだ。便利だし楽であるが、弊害として漢字の読みがおかしなことになってしまった。「サザンカ」は「山茶花」だが、これを素直に読むと「サンサカ」である。「ザン」はどこへ行ったんだ。

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上の写真は帰化種の「セイヨウタンポポ」。たまに巨大になる。近頃は「セイヨウタンポポ」ばかりだが、在来種のタンポポも時折見かける。私も3年前に初めて見つけた。もっと増えるといいな。

では本場の中国で「蒲公英」となった理由とはなんだろうか。これが調べてみてもさっぱり分からない。人名しかヒットしないのだ。検索条件を変えてためしていると、言い伝えを解説した中国語のサイトが見つかった。中国版の「教えてgoo」みたいなサイトのようだ。翻訳して読んでみたけど分かりづらい箇所もある。この原稿を書くにあたってもう一度確認しようと思ったが、サイトを見失ってしまった。仕方がないので記憶を頼りに書いてみる。

「昔むかし、あるところに16歳の少女がいた。彼女は胸が赤く腫れ、痛みもあり苦しんでいた。厳格な母親には言い出せず、思い悩んだ挙句にとうとう川に身を投げてしまった。川の近くに住む父娘がそれに気付いて少女を助け、こうなった経緯を聞いた。少女から理由を聞いた娘は川へ行き、そこに生えている柔らかな綿毛をもつ植物の葉を採ってきた。そしてそれを川の土と混ぜて少女の胸に塗ると、胸の腫れは引いて痛みも軽くなった。やがて父娘と別れた少女は、この植物を持ち帰って家の近くに植えて蒲公英と名付けた。公英とは「● ● ●」である」
「●」の部分は忘れてしまった、ガドン、クガンとか聞いたこともない3文字がカタカナで書いてあった。

もう、いきなり「蒲公英」が出てきた。知りたいのはその語源なんだってば。けれども面白いことに気付いた。まずは薬草としてのタンポポから。

タンポポは薬草である。花が咲く前に採取し乾燥させたものが「蒲公英(ぼこうえい)」、秋から春の根を乾燥させたものが「蒲公英根」という。詳しい服用方は書かないが、効能としては「乳腫を治す」「乳腺の発育不充分に用います」とある。女性の乳房専用の薬のようである。昔話の少女の症状に当てはまるが、後から作られた話なのかもしれない。

意地悪な見方をすれば、タンポポは傷つけると白い液(乳液)が分泌されるが、それと母乳との連想で薬草になったような気がしないでもない。まあ、効能があるならどうでもいい話なのだが。ちなみにこの乳液には天然ゴムの成分が含まれているそうだ。

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「ガマ(蒲)/ガマ科ガマ属」。街中で育てている人もいるんだなあ。

「蒲公英」の「蒲」とはガマである。ガマの穂は成熟すると驚くほどの量の綿毛を作り出す。さて、ここから連想ゲームである。①少女の「赤く腫れた」胸。②「綿毛」を持つ植物。③「蒲公英」の「(ガマ)」という文字。つまり、赤く腫れた体を蒲の綿毛を用いて治すという話である。これは「因幡の白兎」と同じである。

写真:zassouneko
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