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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

スズメノカタビラとお風呂

スズメノカタビラ(雀の帷子)/イネ科/イチゴツナギ属
在来種。10〜25cm 花期4〜10月

皆さんが一番見かける草の一つだと思います。原産地はヨーロッパと言われていますがよく解らないそうです。世界中に分布しており、近年になってアメリカに帰化したようです。

カタビラは帷子で、生絹や麻布で仕立てた単(ひとえ=裏地をつけない)の着物(和服)の意味がある。経帷子というと死者に着せるお経を書いた着物のことで、湯帷子は入浴の際に着用するか、湯上りに着て水気や汗を拭うのに使用した無地の衣類のことです。「何で裸で風呂に入らないの、それに出たあとはタオルで拭けばいいじゃない」と聞かないでほしい。はるか昔の水道もボイラーもタオルもない時代の話である。その辺はググってね。その湯帷子(ゆかたびら)に色彩をほどこして外でも着られる浴衣(ゆかた)になりました。単(ひとえ)じゃない着物は合わせです。合わせの着物の片側(片平=かたひら)からカタビラです。またカタビラは几帳(きちょう)や帳(とばり)の意味もあります。几帳や帳は平安時代以降から使用されるようになった薄絹で作られた間仕切りや目隠しのことです。今でいうスクリーンのようなものでしょうね。

さてここからが本題です。あるHPに名前の由来が「小さな実のようすから」とありました。うん、何のこっちゃ? 牧野博士によると「和名雀の帷子ハ蓋シ其細小ナル小穂ヲ群着セル花穂ノ状ニ基ヅキテ云フナラン」と記載しています。あーわからん。当てずっぽうに推測すると「小さな単の着物が沢山並んでいるように見えるから」ですかね。こうなると几帳=スクリーンの意味ではない気がする。実のひと粒を拡大すると着物の襟を合わせているように見えなくもないのだが。このスズメノカタビラより倍ぐらい大きい植物にオオイチゴツナギがありカラスノカタビラとも呼ばれるそうです。理由はスズメノカタビラより大きいからだそうだ。そりゃそうだけど。

スズメノカタビラは通路や公園の真ん中によく群生しています。人に踏まれると強く丈夫に育つので踏み跡植物(雑草)とも呼ばれます。これは踏まれることで植物ホルモンが分泌され成長を促すんだそうで、逆に踏まれないと他の植物に負けたりするそうです。麦踏みをするのと同じですね。


イラスト:zassouneko
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