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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

タマサンゴの実は甘い/2020.3.1

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タマサンゴ(玉珊瑚)/ナス科/ナス属
ブラジル原産の常緑低木 0.5〜1.5m 花期5〜9月 別名フユサンゴ、リュウノタマ

赤い実を富の象徴であるサンゴの玉(宝石)に見立て、縁起のよい植物として売り出したのだが逸出して帰化した。正月を飾る植物として赤い実をつける「千両」「万両」などがあるが現在ではシクラメンやポインセチアの方が人気があるように思う。

植物の「実」を観賞して楽しむというのは「花を見る」と比べると、玄人的なというか何か「通好み」の嗜好であるような気がする。同じナス科のトマトも最初は食べ物ではなく観賞用だったという。そのあたりのことについて徳川光圀(水戸黄門)さんが何か言っていたいたような気がしたので調べてみたけど情報は見つからなかった。

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↑これがこうなる↓(2018〜2019年)
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↑これがこうなる↓(2018〜2019年)
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道端に生えているのでそろそろ刈り取られそうである。

去年(2019年)の10月に記録に残るような大きな台風が上陸した。猛烈な雨を降らして河川の氾濫も相次いだ。また、強風によりゴルフ場の鉄塔が倒れ、近隣の多くの民家がその下敷きになった。ニュース映像を覚えている方もおありだろう。そんな中、SNSで「台風の後、ブロック塀にプチトマトが挟まっていた〜」という投稿を見かけた。写真にはブロック塀に丸くて赤い小さなものが挟まっている。プチトマトに見えないこともないが、私には「タマサンゴ」の実のように思えた。リツイート(というのか知らんが)の中にも「タマサンゴではないか」という意見も見受けられた。おそらく「タマサンゴ」だろう。「プチトマト」だと壁にぶつかった衝撃で潰れるのではないか。

唐突だが「タマサンゴ」の身は甘い。上の写真に写っている実をかじってみたのだ。もちろんお店に置いてあるようなフルーツとは比較にならないが、それでも今まで味見をした雑草の中で一番である。全神経を集中して甘さを探さなくとも、すんなりと甘みを感じることができる。エグミも酸味もない。雑草を食べているという心理的な抵抗感もなく、すんなりと喉を通りそうである。けれども食べてはいけない。なぜなら「ソラニン」という毒があるからだ。味見をしたら吐き出すのがこの世界の常識である。「この世界って?」と聞かれると困るが、好奇心はあるが危険を犯さない慎重な姿勢の大人の世界とでも言っておこう。

「ソラニン」はナス科に共通する毒で、ジャガイモの芽などに含まれている。この「ソラニン」という名称は学名からきていて、「Solanales Solanaceae Solanum」で「ナス目ナス科ナス属」となる。ジャガイモを日光にあてたりすると皮が緑色になり、そこにも「ソラニン」ができる。幼稚園で育てていたジャガイモを収穫して少し保管しておいたものを調理して食べたら、園児たちの具合が悪くなったという事件が数年前にあった。また、最近の話ではないが、芽が出たジャガイモを豚に餌として与えたら豚が死んでしまったという話をどこかで読んだ記憶がある。このようにナス科の「ソラニン」は恐ろしいのである。

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