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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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キツネアザミ/化かされたのは誰?/2020.5.18

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キツネアザミ(狐薊)/キク科/キツネアザミ属
在来種 アジアに分布 1〜2年草 花期は5〜6月 別名:キツネノマユハケ(眉刷毛)、マユハケアザミ

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写真では萼(総苞片)は白く見えるが、肉眼だと光って見える。

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最初に目についたのは、花が終わった後の放射状に広がる顎(総苞片という)だ。銀色に光っていて、それが花弁のように見える。種である綿毛はすでに飛び去ったようだ。下の方に薄紫の花が少し残っているが、花の盛りは過ぎてしまった。

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花はもう終わりだ。2〜3つが残っていた。

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資料の写真と見比べると、少し緑が薄いように感じる。

名前の由来は「アザミだと思っていたらそうではなかった。まるでキツネに化かされたようだ」ということらしい。ずいぶんとおかしな言い訳である。アザミと間違えてしまうのなら「ニセアザミ」とか「アザミモドキ」でいいではないか。

文句ばかり言っていても仕方がないので、ここで命名者側に立った理由を考えてみた。それは「食用」としてのアザミである。山間部に生えるアザミの中にはオニアザミのように根が食べられるものがあり、それを「山ごぼう」と称する。他にも「やまごぼう」と呼ぶヤマゴボウ科の植物があるが、そちらは「毒草」である。注意が必要だ。食べられるのはキク科のアザミである。つまり食用のアザミだと思って苦労して根を掘ってみたが違っていた。「ああ、だまされた、化かされた」という次第である。

別名の「キツネノマユハケ」、「マユハケアザミ」はどうだろうか。この「マユハケ」は「眉刷毛」で化粧の際に眉を描くためのものだ。つまり筆のようなものだと考えられるが、この植物を見てもそれに似ているようなパーツは見当たらない。マユハケが花の形を指しているとすれば、太い眉毛しか描けないような気がする。面相筆というのがあるように眉を描くのは細い筆なのではないか。そうは言ってもバブルの時代には極太マーカーで一直線に引いたような形の眉毛が流行ったりしたしなあ。女性の好みは分からんのである。

このキツネアザミには刺がない。本来のアザミと見分ける際の目安になるだろう。気になるのは、どの資料を見ても「銀色」に言及しているところがないことだ。あんなに目立つのに。それとも私だけがそう見えているということなのだろうか。化かされたか? 少し前にネットで「このドレスは何色?」という写真が話題になったが、ただの「シアンかぶり」している写真のように見える。補正してやれば正しい色が現れるだろう。「汚れた」状態で色を論じても無駄である。

写真:zassouneko
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