オオイヌタデ(大犬蓼)/タデ科/イヌタデ属
在来種 1年草 花期は6〜11月 草丈は80〜200㎝
「イヌタデ」の古名は「以奴多天」という。素直に読むと「イヌタテン」である。ちょっと可愛い気がする。「タデ(蓼)」は葉を齧ると「口中が爛(ただ)れるほど辛い」ので、そこから「ただれる→タデ」になったというのが名前の由来らしい。もっとも、これは「ヤナギタデ」を齧ったらそうなるのであって、その他の多くのタデ科の植物は辛くないのである。1種だけが持つ特徴が「タデ科」という全体を代表する名前になったのは、その辛さが調味料として重宝されていたからである。その調味料が「タデ酢」だ。人の役に立たない植物(食用や観賞用ではない植物)には名前がつかない。利用できないのだから名前をつける必要もない。無視すればいいのである。それはそうと、元々の「タテン」はどこからきたのだろうか。
根元付近。這うように周囲に広がり、やがて直立する。
最初は「白いイヌタデ」だと思ったが、茎がずいぶんと太い。根元付近の太さは小指ほどもあり、草丈も70㎝以上はある。節も太くゴツゴツしている。どうやら「オオイヌタデ」のようだ。
節は赤紫色、茎は白い。
左:「オオイヌタデ」、右:「オオケタデ(別名:オオベニタデ)/中国からの帰化種」。「オオケタデ」は大きくて色鮮やかなので、雑草には見えない。1年草なのだが毎年この場所で見かける。世代交代が順調に進んでいるのだろう。最初に見つけてから今年で3年目になる。
上の写真の「オオイヌタデ」は数年前に撮影したもの。今回の見つけたものよりずっと大きく、草丈は1.5mぐらいはあった。穂は人差し指ぐらいの大きさだ。色は赤茶色がかっており、今回見つけたものとは見た目がかなり違う。
写真:zassouneko