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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

カラミント/新たなミントが登場した/2018.7.21

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カラミント/シソ科(Lamiaceae/Labiatae)/カラミント(トウバナ)属
多年草 在来種(帰化種 イギリス・地中海沿岸原産) 花期は7〜9月 学名はCalamintha nepeta

最近は猛暑が続いているので、あまり外へ出たくはないのだが、買い物には行かねばなるまい。暑い中を歩いていると、東区役所近くでこの雑草を見つけた。歩道と塀の間にできた隙間から生えている。初めて見る植物である。どこからやって来たのだろうか。いつも不思議に思う。

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花の形はシソ科の特徴である「唇形」をしており、花弁には紫色の点がうっすら見える。茎の断面は四角で、全体に短い毛がある。葉の縁は滑らかで、シソやミントのようなギザギザ(鋸歯)はない。以上の情報から「カラミント」とした。葉に白い斑点のようなものが浮き出ているが、病気か何か問題があるのだろう。あまり陽の当たらない場所だからかもしれない。やや暗いので写真もぼんやりとしている。

園芸種としての「カラミント」の情報は多く見つけることができるが、原種や雑草化したものに関する情報は少ない。属名も「カラミント属」や「トウバナ属」とさまざま。在来種という記載もあるし、渡来時期不詳の帰化種という話もある。名前が「カラミント」だと分かった時に「えっ、唐ミント?」と思ったが、そんな訳はないのである。「唐」から渡来したのなら「唐薄荷(カラハッカ)」になる。「ミント」という言葉自体が近年のものだろうから。

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園芸種だと「カラミンサ」と呼ぶようだ。おそらく学名の「Calamintha」から来ているのだろう。英語だと「Calamint」と書くから「カラミント」でも間違いではないのだ。園芸種の写真を見ると、真っ直ぐにのびた茎に小さな花がたくさん付いている。園芸種の面目躍如といったところか。「特徴は爽やかなミントの香り」と書いてあったが、ここに生えている「カラミント」の匂いは「爽やか」とは言えない。雑草だから仕方がないのである。それでも、一般の雑草によくある「青臭い匂い」とは少し違う香りがある。ほんのわずかだが「ミント」や「シソ」の面影を感じさせる。

ほぼ同じ時期に、シソ科らしい別の雑草を見つけていた。マンションの植込みに生えていたので、ずいぶんと変わった植物を植えるものだなと思っていたが、後日通りかかったところ、バッサリと切られていた。どうやら意図的に植えたのではなく、勝手に生えてきたようだ。もっと写真を撮っておくべきだったかな。

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少し離れた場所に刈られずに残っているのを見つけたが、花の盛りは過ぎてしまったようだ。この雑草と「カラミント」とは葉の縁の形が違う。こちらは波状である(円鋸歯状と言うらしい)。花の形は唇型で色は白、茎の断面は四角で細かな毛がある。

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葉の香りも「カラミント」と似ている。シソ科の1種だと思う。萼が連なるように残っているので、花も多くついていたのだろう。来年また生えてくれば、もっと詳しく観察できるだろう。

写真:zassouneko
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