前回は小川の交差点だったが、今回はそこから少し北へ行った代官町周辺の花たちである。
「ハナニラ(上の写真)」。外来種で元は園芸種。「ニラ」と同じ「ヒガンバナ科」の植物。観賞用として入ってきたが、ちゃっかり帰化した。面白いことに、この花の葉は「ニラ臭」がするのである。葉も「ニラ」にそっくりで並べて置いてあっても区別がつかない。この花による中毒の話は聞いたことがないので毒はないような気がする。写真の左側と上に写っているのは「スイセン」の葉。こっちは確実に毒がある。
「ムスカリ(上の写真)」。外来種。花は口のつぼまった壺の形をしており、下を向いている。この花を見ると小学生の頃のヒヤシンスの水耕栽培を思い出す。誰もがそう感じるようで「ブドウヒヤシンス」という別名がついている。ちなみに「ムスカリ」とは香水の「ムスク(ジャコウ)」からきている。同じ仲間に「ムスク」の香りを放つ種類がいるのだ。それが花屋に出回らないのは、日本で育てるのが難しいからだそうだ。
「ハナニラ」と「ムスカリ」。この2つは毎年同じ場所で咲く。
「ミチバタナデシコ(下の2枚の写真)」。外来種。小さな葉で地面にへばりつくように冬を越し、暖かくなると一気に成長する。交差点の一角に群落をつくるほど勢力をのばしている。近場も含めると千本近くが開花している気がする。この花、数年前まで「イヌコモチナデシコ」と呼ばれていたが、最近になって名前を変更した。学名を含めていろいろと間違っていたらしい。そんなこともあるのだ。
花の最盛期はもう少し後。後ろに写っているのは全部「ミチバタナデシコ」。交差点の角に大群落を作る。
「ミチバタナデシコ」の若葉。左上の白い花は「シロバナマンテマ 」。「多勢に無勢」とはこのことである。
たぶん「オニタビラコ(キク科/在来種)/下の写真」だと思うんだけどな。キク科の判別は苦手なのである。
「ノボロギク(下の写真)」。ヨーロッパ(北欧)原産の外来種。この花は一年中見かける。花期も決まってはいないらしい。冬でも元気なのは、さすが北欧生まれといったところか。葉が特徴的だから見分けやすい。
「セイヨウタンポポ(キク科/外来種)」。写真の左側の2つの蕾についている萼(がく)が下方向に反り返っている。これが「セイヨウタンポポ」の特徴である。日本のタンポポはそうならない。もう名古屋市内で日本のタンポポを見ることはないだろう。このタンポポに駆逐されてしまったのである。
「ヤエムグラ(アカネ科/在来種)」。春の終わり頃に白い小さな花を咲かせる。この草を軽く握って少し上に動かしてみると、手のひらにくっつくような感じがする。ちょっと面白い。
「スミレ(スミレ科/在来種)」。種類は分からない。スミレも見分けるのが難しい。日本の国土は世界の国々と比べると、さほど広くはないが、面積の割にはスミレの種類がとても多いという。この花は弱々しい見かけの割には意外と丈夫で、葉は一年中見かける。右側の大きな葉は前述した「ミチバタナデシコ」。
「アオイスミレ(スミレ科/在来種)」。このスミレは見分けやすい。2月の中頃には咲き始めるし、葉の形が徳川家の紋の「三つ葉葵」に似ているからである。後ろや横に見える白い花をつけた細長い草は「ミチタネツケバナ(外来種)」。
最後にまとめて紹介。右側の2つの黄色の花は「カタバミ」。葉は通常は緑だが、写真のような暗い赤紫色のタイプもよく見かける。これで黄色の花の中心部がオレンジ色なら「アカカタバミ」というらしい。その「カタバミ」の花にかぶさっているのが、「タチイヌノフグリ」だろう。その左の丸っこくて葉の縁がデコボコしているのが「ホトケノザ」。そのまた左の小さな白い花は「オランダミミナグサ」。そのまた左の、茎を左上に伸ばしている小さな白い花は「ノミノツヅリ」。で、その下の黄色の花が「カタバミ」。写真が見にくくて申し訳ない。
最近、写真にノイズが目立つ。少しでも光量が足りないとそれが顕著に現れる。物理的な故障が原因ではないような気がするが、デジカメの寿命が来たのかなあ。買ってから10年以上は経っているし。
写真:zassouneko