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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

雑草を味見する/ヨウシュヤマゴボウ:その2

ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)/ヤマゴボウ科/ヤマゴボウ属
北アメリカ原産。花期6~9月。1~2m。別名アメリカヤマゴボウ。

最初に「毒」に関して。以下の文中で、危険が少ないような表現があるが、あくまでも素人の私見である。実行は自己責任です。

今回、味見をしたのはこの「ヨウシュヤマゴボウ」。

「ヨウシュヤマゴボウ/雑草を味見する/その1/まずはプロフィール」で素性を説明したが、追加情報をいくつか。

以下の太字の部分は厚生労働省のサイトにある「自然毒のリスクプロファイル」の「ヨウシュヤマゴボウ」についての解説から抜粋したものである。
「果実と根に有毒成分を含み、食べると 腹痛・ 嘔吐・下痢を起こし、ついで延髄に作用し、けいれんを起こして死亡する。 皮膚に対しても刺激作用がある」
おお、これはヤバそうだ。ところが別の記載を見ると
「実を鳥が食べ繁殖し、庭先など身近に見ることができる植物のため注意する必要がある。実が美味しそうなため、幼児が間違って口にするおそれがある」
うん、鳥が食べる? 毒じゃないのか。鳥には効果がないのかな。

上の写真:まだ若い実。形はカボチャに似ている。
上の写真:今回味見をしたもの。持ち上げてみると、結構ずっしりとしている。ブドウの房とまではいかないが、それなりの重量感はある。これが食べられないとは、ちょっと残念である。

まあ、何はともあれ味を確認しよう。実を3つほど口に含む。種を噛んではいけない。種には確実に毒がある。

味はしない。だが、エグ味もないので毒が無ければ水分の補給にはいいだろう。以前、とある日本の研究者のブログに、来日した海外の研究者が道端の「ヨウシュヤマゴボウ」の実を食べたので驚いたという記載があった。その海外の研究者によると実に毒はないということだが、まあ、ここは慎重に行動することにして飲み込まずに吐き出した。

さて、面白いのはこれからである。万一のことを考えて3〜4回ほど口中の唾液を吐き出す。いずれも唾液は真っ赤である。続いてスポーツドリンクでうがいをする。それを吐き出したものには薄い紫色がついている。その後、買い物をして自宅に帰ってから、うがいをしてみた。途中で何度もスポーツドリンクを飲んだにも関わらず、吐き出した水にはうっすらと色がついている。しぶとい。

これは、ある程度予想はしていたことだ。世間には「ストロベリー」「ブラックベリー」「ラズベリー」と呼ばれるものがあるが、この「ヨウシュヤマゴボウ」は「インクベリー(Inkberry)」とも呼ばれる。あの「インク」である。服に付いたら落ちないヤツである。「科」も違うし食用でもないので見た目だけで、そう呼んだのだろう。だが、子供を持つ保護者にとっては、こっちの方が気がかりだろう。「ブランド物の子供服がー(涙)」ということになる。

実に毒があるかどうかは分からない。だが、根と種には確実に毒がある。子供が種を食べてしまうおそれもある。しかし、子供は根を掘り出して食べることはないだろう。だが、大人は食べるのである。食中毒事件も何回か起きている。

食べられる「アザミ」の根を「ヤマゴボウ」と称しても問題はない。「里」で栽培される「ゴボウ」に対しての「山」であって、代用品としての意味もある。そしてあくまでも別名である。ところが「ヤマゴボウ」の名前が一人歩きし、そういった名前の食用の植物があると思い込んでしまうと厄介である。名前が「ヤマゴボウ」なのだから食べられると勘違いするおそれがあるからだ。罪作りな名前である。

写真:zassouneko
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