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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

雑草を味見する/ヨウシュヤマゴボウ:その1/まずはプロフィール

ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)/ヤマゴボウ科/ヤマゴボウ属
北アメリカ原産。花期6~9月。1~2m。別名アメリカヤマゴボウ。

「ヤマゴボウ」と聞いて「ははあ、ゴボウのワイルドなヤツだな」などと判断してはいけない。「ゴボウ(キク科)」とは関係がないし、第一にこの雑草は毒草である。野趣溢れる山菜とは違うのだ。スーパーや地方の高速道路のサービスエリアで「ヤマゴボウ」という名で売られているのは「アザミ(キク科のモリアザミなど)」の根である。

上の「ヨウシュヤマゴボウ」の草丈は膝の高さほど。
こちらは胸ぐらいの高さ。草丈の差はかなりある。小さくても実はつく。

江戸時代以前、中国(漢という説がある)から、ある植物が渡来した。根が「ゴボウ」に似ていたので「ヤマゴボウ」と名付けられたが、毒があったので食用にできず、やがて薬草となった。その後、明治の初期1870年に西洋(北アメリカ原産)から、「ヤマゴボウ」に似た植物が渡来した。 つまり「西洋種の山牛蒡」なわけであるから「ヨウシュヤマゴボウ」になった。こちらも毒草だった。両者とも「同科同属」で、根から「商陸」という漢方薬が採れ、利尿剤などに用いられるという。

上の写真:マンション建設予定地(今は建設中)に咲く「ヨウシュヤマゴボウ」。画面真ん中、右から左まで全部そうである。新しくできた荒れ地にいち早く進出する「先駆植物」なのかもしれない。ここに写っている「ヨウシュヤマゴボウ」の多くが右(方角は東南になる)を向いているような気がする。手前の真ん中はおそらく「イヌホオズキ」の仲間。そのすぐ左に小さく写っているのは「ハゼラン」。

私の住んでいるあたりでは「ヤマゴボウ」を見ることはないが「ヨウシュヤマゴボウ」はそこら中で咲いている。街中での繁殖に成功したようである。

写真:zassouneko
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