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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

エンジェルストランペット/天使のラッパは、なぜ下向きか

「キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)」/ナス科/キダチチョウセンアサガオ属
エクアドル原産の外来種 草ではなく木である。花期は春から秋 毒草

この植物は木である。ここは雑草のブログなので取り上げるかどうか迷ったのだが、名前がちょっと意味深であることや、他の「チョウセンアサガオ」と見かけも大して違わないので紹介することにした。だって面白そうなんだもん。

この植物は園芸種としての名前である「エンジェルストランペット」の方が有名だろう。原産地である「エクアドル」はスペイン語で「赤道」の意味があり、実際にこの国は赤道直下にある。つまり暑い地域なのだが、この「キダチチョウセンアサガオ」は暑さに弱いという。「暑さに弱い植物がなぜ赤道直下の国に?」と思うが、この植物が生えているのは涼しい高原地帯であるという。そういった場所は夏はいいが冬が厳しいと思うのだが、この「キダチチョウセンアサガオ」は寒さには強いのであった。

花は最初は赤みを帯びているがやがて黄色になるという。

私が持つ天使のイメージは背中に羽根をつけた赤ん坊であるが、その姿が登場したのはそれほど古くはないようだ。バチカンのシスティーナ礼拝堂にミケランジェロが描いた「最後の審判(1541年完成)」のフレスコ画がある。とても有名なので皆さんもご存知だろう。その絵の中にラッパを吹く天使が何人か描かれているが、いずれも筋骨隆々とした若者の姿をしている。また、「受胎告知」の場合はマリアに妊娠を告げる天使は若い女性の姿である。この「受胎告知」の中に天使と思われる赤ん坊の姿が追加されるようになったのは17世紀に入ってからのようだ。もともと「天使」とは「天からの使い」なので「使わされる場所」にふさわしい姿の天使が派遣される。と言うよりは人々が「それらしい姿の天使」を必要としたのだろう。「受胎告知」にマッチョな男性が来られても対応に困るだろうし、「最後の審判」のオープニングに赤ん坊が登場するのは緊迫感に欠ける。まあ、それも「有り」のような気もするのだが。

ミケランジェロの「最後の審判」は「ヨハネの黙示録」の内容を描いたものだ。ラッパを吹く天使は7人(人でいいのかな?柱じゃないし)でラッパも7本であるはずだ。絵だとラッパが8本あるように見えるのだが、何か他のものだろう。もっと分かりやすく描いてくれないかな、ミケランジェロさん。さて、その7本のラッパのうち、5本は下を向いており、残りは斜め上、もう1本は肩に担がれて横を向いている。全員揃ってラッパを吹いていないのは単に構図の問題だろう。

ラッパを吹きながら天から降りてくる天使たちは「最後の審判の結果がこれから示される」と人々に告知しているのである。天から下界に向かってラッパを吹くのであるからラッパの口は当然下を向く。他の「チョウセンアサガオ」の花は上に向かって咲くが、「エンジェルストランペット」の花は下を向く。この特徴こそが「天使のラッパ」と呼ばれる理由なのである。

この「天使のラッパ」は恐ろしい。「黙示録」によると、このラッパの音が聞こえるだけで人類の3分の1が死ぬというから大変である。「エンジェルストランペット」も毒草なので多く食べれば3分の1ぐらいは死ぬかもしれない。強引にこじつけてみた。死亡の原因は純粋な中毒死ということもあるが、錯乱して自傷行為に及んだり窓から飛び降りることもあるという。幻覚剤としての効果を期待する者もいるようであるが、目覚めたら鼻や耳や指(男性の場合は下半身にあるアソコも)が無くなっている場合もあるのだ(自分で切り落とすのである)。それでも永遠の眠りにつくよりは、目が覚めるだけマシなのかもしれない。

話は変わるが、赤ん坊の姿をした天使はいつも複数で現れるようだ。こんな幼い者を使いに出すのであるから一人では心配なのだろうか。それならばもう少し年長の者を使いに出せばいいのにと思う。それに大人数でやって来られるとジュースやお菓子の準備が大変である。急な来客とはいえ、おもてなしは欠かせないからだ。

※記述した文章の宗教的な部分、また絵画の解釈などに誤りがあるかもしれません。指摘していただければ幸いです。

写真:zassouneko
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