ヘビイチゴ(蛇苺)/バラ科/キジムシロ属
在来種 多年草 花期は4〜6月
「ロリポップ」とは棒付きの「キャンディ」のことで、日本なら「ペロペロキャンディ」と呼ばれるものがそれにあたる。同じような形の「不二家」の棒付きキャンディも半世紀以上前からあった。こういった記憶もあって「キャンディ」とは飴のことだと思っていた。ところが「キャンディ」の意味するところは幅広く、「飴」はもちろん「ドロップ」、「スコッチ」、「ヌガー」、「キャラメル」や果ては「マシュマロ」までが「キャンディ」なのである(wikipediaより)。
これらを統合する概念は日本だと「飴」ぐらいしか思い当たらない。私の感覚だと「ドロップ」は「飴」だが、他は違う感じがするのである。まあ、大阪には「アメちゃん」という言い方があるので、それでいけそうな気もするけど。どこにいくのかは知らんが。「ソフトキャンディ」とかいう言葉も聞くが、いわゆる「和製英語」の類いではないだろうか。「キャンディ=飴=硬い」は日本人の感覚のような気がするのだ。欧米だと「キャンディ」に「ソフト」や「ハード」の区別などなされていないようだし。以前から「チュッパチャップス」はどのジャンルに含まれるのかという疑問があった。丸くて硬い「キャラメル」なのか「キャラメル」味の飴なのかという、普通の人からすればどうでもいい疑問なのであるが。それが、ようやく「キャンディ」だったと判明したのだ。どこか晴れ晴れとした気分である。
さて「ヘビイチゴ」である。上の写真でお分かりいただけると思うが、地面から「棒付きキャンディ」が生えているように見える。普通のイチゴは実の部分が垂れ下がるが、「ヘビイチゴ」は上に伸びた茎の先に実が付いているのである。この場所には背の高いイネ科の雑草があまり生えていないので「ヘビイチゴ」も充分に成長できるのだ。緑が多い中にあって丸く赤い実はよく目立っている。
名古屋の街中で「ヘビイチゴ」を見つけるのは難しいだろうと思っていたが、実は意外と生えているのである。去年は5ヶ所で生育を確認した。いずれも徒歩10分圏内である。久屋大通り(※)から横道に少し入ったビル街の歩道の植え込みで見かけたこともある。
ここに掲載した写真は去年(2016年)に撮影したものであるが、ここには現在住宅が建っている。また、他の生育場所で駐車場になった所もある。「ヘビイチゴ」を見ることはできなくなったのである。けれども長い年月が経ってまた更地に戻るようなことがあれば、いずれ再会できるだろう。
(※)名古屋の中心部、栄を南北に貫くいわゆる100メートル道路の一つで長さは1.8㎞ほど。北端は名古屋城の外堀に接し、南端はもう一つの100メートル道路(東西に走る若宮大通り)に直角に交わる。なんせ幅が100メートルもあるので両側に車道を作っても中央部はまだ余裕(平均して78メートルあるそうだ)がある。この部分は公園になっておりテレビ塔もここに建っている。三越、松坂屋、東急ハンズをはじめとする多くの商業施設がこの道沿いにあり、アップルストア、パルコ、NHK、中区役所にも近い。長々と書いたが要するに「都会の真ん中にも生えている」と言いたかったのである。けれども、名古屋が都会かどうかは分からない。それを判断する基準を私は知らないからだ。
写真:zassouneko