アメリカオニアザミ(亜米利加鬼薊)/キク科/アザミ属
ヨーロッパ原産の帰化植物 1〜2年草 花期は6〜9月 草丈は60〜200㎝
冒頭の写真:6月頃から開花が始まる。花びら以外の全ての場所に「棘」がある(上の写真)。下は2015年6月のもの。バス停と比べると大きさが分かるだろう。
1960年頃に北海道で始めて確認され、今では九州を除く全県に広がっている。名前に「アメリカ」と付いているがヨーロッパ原産で、そのため「セイヨウオニアザミ」という名称もあるのだが普及はしていない。ここでは「アメリカオニアザミ」として話を進めます。
ところで、「スコットランド」の国花はアザミである。その昔、夜陰に乗じて侵入しようとした敵(今のイングランド)が、アザミの棘に触れてしまい、その痛みに思わず声をあげたことから存在が露呈し、それが撃退に繋がったという話が「スコットランド」に伝わっている。その多大な功績に報いて国花に指定されたという。また、「フラワー・オブ・スコットランド」という歌もあり、ラグビーやサッカーの国際試合などで歌われるアンセムになっている。
上の写真:蕾の段階でこの有様である。この棘の痛さは群を抜いていると思う。「栗のイガ」など可愛いものである。兵士が思わず声をあげるのも納得できる。ぜひお試しを、というわけにもいかないな。自己責任でどうぞ。
「スコットランド、紋章」で検索すると「アザミ」の紋章が出てくるが、どう見ても「アメリカオニアザミ」である。詳しい名称を知りたいのだが、どこも「アザミ」としか書いていない。いろいろと検索した結果、どうやら「Bull thistle」が紋章の花の名前のようだ。それは「アメリカオニアザミ」のことである。
12月の「アメリカオニアザミ」。このまま越冬する。すでに「
棘」がある
のが見える 。
迷惑な雑草としての「アメリカオニアザミ」ではアメリカも気分が悪いだろう。そもそも原産地ではないのである。ならば「国花」としているスコットランドの意思を尊重して「スコットランドアザミ」と呼ぶのも「あり」だろう。平時には迷惑な「棘」も戦時には国民を守る武器となるのだ。これならば、どの国の名誉も傷つけない。あっ、イングランドがいい顔しないかな。サッカーの試合の度に「アザミにやられた奴(意訳。実際の歌詞は違います)」と歌われているからなあ。やっぱり「セイヨウオニアザミ」か「ヨーロッパオニアザミ」にするか。って、私が決めることでもないのだが。
写真:zassouneko