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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

セイヨウカラシナ/その3/実ができたようですが

セイヨウカラシナ(西洋芥子菜)/アブラナ科/アブラナ属
西アジア原産の帰化種 1年草 花期は3〜4月

去年の年末には黄色の花を咲かせていたから、それから半年近く経ったことになる。そもそも花期が違うのだが、そこはそれ生き物だからそういうこともあるのだと思っていたが、いろいろと事情があるようだ。「カラシナ」はかなり以前より日本にあったが、現在帰化しているものは、第二次大戦後に入ってきたものだという。「カラシ」を採取する目的で輸入したのは当然園芸種としての「カラシナ」だろうが、それが逸出して野生化すると園芸種の性質は失われる。1年草と言われているのは園芸種としての「カラシナ」のことであって、野生化すると秋に芽生える越年草になるようだ。もともとは越年草なのだろう。

この花は国道19号沿いのあちらこちらで咲いているので、いつ「カラシ」ができるのだろうかと折を見て実を割って中を確認しているのだが、いつ見ても1㎜ほどの緑色の豆があるだけである。食べてみても「カラシ」の味はしない。


中を見るもの飽きてしまったので、いつしか花のことも忘れてしまっていたが、最近になって莢がすっかり茶色に色づいて丸々としているのに気づいた。これは期待できそうだ。勇んで莢を開いてみたのだが、中にあったのはやはり1〜2㎜ほどの緑色の豆であって、太っているのは莢の部分なのである。食べてみても青臭い味しかしない。

この「カラシナ」はいわば野生のものなので、わざわざ人の役に立つ「カラシ(芥子=子は種の意味がある)」を作る必要がないのだろう。けれども「カラシナ」の素性は隠せないのだ。芽吹いたばかりの頃の若葉を齧ると「カラシ」の味がするのである。

写真:zassouneko
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