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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

マツバウンランとツタバウンラン/忘れられたウンラン(海蘭)を思う

写真上:マツバウンラン(松葉海蘭)/オオバコ科/マツバウンラン属 北アメリカ原産 1941年に初めて帰化が確認された。
写真下:ツタバウンラン(蔦葉海蘭)/オオバコ科/ウンラン属 ヨーロッパ原産 大正時代に輸入され、その後逸出。

4月も中旬を過ぎると「ミチバタナデシコ」と競うように「マツバウンラン」も咲き始める。草丈も同じぐらいだが「マツバウンラン」の花の方が断然目立つ。負けじと「ミチバタナデシコ」は本数で勝負をかける。ざっと見た感じだが「マツバウンラン」の100倍は生えているようだ。外来種なので少しは自制してもらいたいものだ。言っても聞かないだろうが。

花の大きさはこれぐらい。

同じ時期、石垣の間などの乾燥した場所に「ツタバウンラン」がひっそりと咲き始める。もともとロックガーデンでの利用を目的として輸入されたものなので乾いた場所に強い。加えて「マツバウンラン」には無いオレンジ色を花びらに持っている。だが、性格は控え目で好感がもてる。「マツバウンラン」を「陽」だとすれば「ツタバウンラン」は「陰」だろうか。

さて、これらの名前の元となった「ウンラン(海蘭)/在来種」であるが、ほとんどの人は知らないだろう。私も見たことはない。Googleで検索してもめぼしい写真が見つからない。bingだと3枚ほど見つかったが、全て同一のブログからであった。それほど情報が少ないのである。「ウンラン」を写真付きでブログをアップすれば、すぐに検索のトップに上がるだろうが、そもそも「ウンラン」を検索する者がほとんどいないという現実がある。閲覧数がさほど増えることはないのである。
追記:後日、検索し直したら「ウンラン」の写真がたくさん引っかかった。何だよ、あるじゃないか。検索エンジンの調子が悪かったのかな。エンジンが気まぐれなのは困るなあ。(2017.5.4)

この「ウンラン(海蘭)」は「蘭(ラン)」と付いているが「蘭」とは何の関係もない。そして花の色は黄色である。「海の近くに生える蘭に似た花」なので「海蘭」となったというから、色々と無理がありそうな命名である。

使用できる「ウンラン」の写真が見つからないので、海外のサイトから「ホソバウンラン」の写真を探してきた(上の黄色の花)。この花を海岸近くに持って来て地を這うように配置し、葉を玉子型に変形させれば、在来種の「ウンラン」の姿に近くなる。この「ホソバウンラン」も日本に帰化しているという。下のピンクの花はおそらく「ヒメキンギョソウ」。「ウンラン属」の仲間である。

「海蘭」でさえ半ば強引と思えるネーミングなのに、さらに引用して「マツバウンラン」「ツタバウンラン」である。「ウンラン(海蘭)」の存在を知らなければ街中に自生する雑草の名前にある「ウン」から「海」が連想される筈もない。そうなると名前は意味のない記号の羅列である。

写真:zassouneko
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