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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

ホトケノザとヒメオドリコソウの間に別の1種がいる

ホトケノザ(仏の座)/シソ科/オドリコソウ属 在来種(冒頭の写真)
ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)/シソ科/オドリコソウ属 外来種。明治中期に侵入。(すぐ上の写真)

ここ最近、ブログのアクセス数が少し増えた。そろそろ春の気配も感じられるので、植物(雑草含む)に対する関心が高まったのだろうか。アクセスの内容を見ると「ホトケノザとヒメオドリコソウの違い」に関する記事がよく読まれていることが分かった。そうやって比較される両者であるが、その中間にもう1種いるのである。

少し前に気付いたのだが「モミジバヒメオドリコソウ(紅葉葉姫踊り子草。」という植物があるそうだ。別名を「キレハヒメオドリコソウ/切れ葉姫踊り子草)」という。通常の「ヒメオドリコソウ」より葉のふちの切れ込みが深いのが特徴だという。この植物はヨーロッパ原産で、1992年に横浜で初めて確認されたというから比較的最近のことである。「ホトケノザ」と「ヒメオドリコソウ」の交雑種ではないかという説もあるという。と、いうことは両者の特徴が出ている可能性もある。つまり、どちらにも似ており区別がつきにくい、ということだ。 私は見たという記憶がないが「モミジバヒメオドリコソウ」の存在自体を知らなかったわけだから、少し変わった「ヒメオドリコソウ」として認識していた可能性もある。今年からは注意して見てみよう。だから写真はない。この近所にはいないのかもしれないし。

ホトケノザ(上の写真)。ホトケノザの葉は水平に向かい合っている(対生)ので、上から見るとほぼ円形に見える(凸凹しているが)。葉と葉の間はかなり空いている。また、葉の切れ込みは深いが縁は丸っこい。花に濃いピンク色の斑点がある。茎の断面は四角である。

ヒメオドリコソウ(上の写真)。葉は三角もしくはハート型。ホトケノザの様に2枚が向かい合って付いている(対生)が斜め下を向く。また、葉の切れ込みは浅い。花が咲くと上の葉から赤紫色を帯びてくる。全身がそうなることもある。ホトケノザは葉の色が変わらない。茎の断面は四角。ほとんどのシソ科の植物は対生で茎が四角である。

「ホトケノザとヒメオドリコソウの違い」のアクセス数が増えたのは「モミジバヒメオドリコソウ」の存在がいくらか影響していると思う。つまり「モミジバヒメオドリコソウ」の分布が広がっているのである。目にする機会も増えるし、それにつれて「ヒメオドリコソウ」とは微妙に違う姿に疑問に思う人も増える。だから検索数も上がったのだろう。

今回、この記事を書いていて印象に残ったのは「ホトケノザ」がヨーロッパにも分布しているということだ。相手は植物(生物一般も)なのだから普通にあり得ることなのだが、ちょっと意表を突かれた感じがしたのだ。「仏の座」という名前に惑わされてしまったようだ。ちなみに「ホトケノザ」の英語名は「henbit dead-nettle」、または「greater henbit」だ。訳すと「henbit」は「ホトケノザ」、分けると「雌鶏の、少量、少し」になる。雌鶏のトサカ(雄鶏ほど大きくない)を小さな花に見立てたのかな。「dead-nettle」はそのままだと「オドリコソウ」で、「dead-nettle」を分けると「活気のないイラクサ」の意味になる。「イラクサ」は棘があるから、それに「dead」と付くのは「棘の無い」という意味だろうか。ちょっと面白い。ただ、素人の適当な訳なので本気にしないように。

写真:zassouneko
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