忍者ブログ

雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

ナズナ/これは「ナズナ」で合ってるの?

ナズナ(薺)/アブラナ科/ナズナ属
在来種 2年草 花期は3〜6月

「ナズナ」は在来種であるが、はるか昔に日本にやって来たという。麦や稲の伝来と共に日本に渡来したらしい。現在の水田や畑の近くに生える雑草の多くは、麦や稲と一緒に渡来してきたものと考えられている。これらは史前帰化植物とよばれる。本来は外来種になるのだが、渡来してから数千年は経っているので、もう在来種なのである。 このように古来より日本には多くの外来種がやって来ており、それは現在でも続いている。「ナズナ」の仲間も続々と侵入しており、「〜ナズナ」と名付けられた外来種がすでに定着している。

「アブラナ科ナズナ属」に属する日本の在来種は「ナズナ」のみである。他の「ナズナ属」はすべて外来種のようだ。「ホソミナズナ」「ルベラナズナ」「オオバナズナ」「ハートナズナ」がそうである。「そうである」と書いたが、参考にしたサイトの受け売りである。詳しくは調べていない。また、以前は「オオナズナ」というのもいたそうだが、今では「ナズナ」と同一のものとされている。それはそうと困った問題がある。上に「調べていない」と書いたのは、これらの外来種は検索しても情報や画像がほとんど出てこないのである。どんな姿なのか見当もつかないのだ。

この界隈で見かける「ナズナ」もいろいろなパターンがある。葉の周囲が滑らかなもの、深裂して鋭角なもの、全身の色が緑のもの、部分的に赤紫色を帯びているものなど。これらは在来種の「ナズナ」なのか、それとも外来種なのか、さっぱり分からない。同じ「アブラナ科」のアブラナやカラシナなどは変種ができやすいというが、ならばこれらの「ナズナ」も変種だろうか。外来種ということもあるしなあ。困った。

葉の形といい色といい、なんか違うよなあ。これは「ナズナ」の変種でいいのかな?

それらの「ナズナ」と並んで、この界隈でよく見かけるのは外来種の「マメグンバイナズナ」であるが、これは「マメグンバイナズナ属」であって「ナズナ属」ではない。種子の形が違うので見れば分かる。そして「マメ」がついていない「グンバイナズナ」は「グンバイナズナ属」になる。ちょっと複雑だな。ついでに「カラクサナズナ」は「カラクサナズナ属」、黄色の花の「イヌナズナ」は「イヌナズナ属」である。まだ他にも「ニワナズナ属」、「ミヤマナズナ属(日本にはいないようだ)」、「イワナズナ属」などなど。どんだけ「属 」があるっちゅーねん。

こちらが「マメグンバイナズナ」。莢(さや)の形が「ナズナ」のようなハート形ではなく、相撲の行司が使う「軍配」の形をしている。別名を「貧者の胡椒」という。葉を齧ると「胡椒」の味がする。けれど辛くはない。ぜひお試しあれ。

なんでこんなに「ナズナ」の仲間の「属」は細分化されているのだろうか。ここからは素人の勘だが、それにはDNAが関係しているように思う。「シロイヌナズナ」は被子植物の中で遺伝子の数が最も少ないそうである。全遺伝子の解析が他の植物よりも一番最初に終ったというほどである。この遺伝子の数の少なさが鍵のような気がする。

写真:zassouneko
PR