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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

アオイスミレ/春に一番乗り〜ついでに「見分け方」

アオイスミレ(葵菫)/スミレ科/スミレ属
在来種 多年草 花期は3〜4月 学名はViola hondoensis

しごく当然であるが冬は寒い。雑草たちもおとなしくしている。この寒さの中で元気よく咲いている花はスイセンぐらいだろう。それでも2月の下旬ともなれば、なんとなく春の気配を感じる日もある。冷たい北風は徐々に影を潜め、穏やかな日が多くなった。夏の日光は耐え難いが、春の陽射しはずっと浴びていたい。太陽の位置も少し高くなったようだし、湿度も上がってきたのか空気がしっとりとしている。そろそろ雑草たちも活発に動き始める頃だ。 まずは春に一番乗りをしたような「アオイスミレ」を紹介したい。

冒頭の写真は2017.2.28、上の写真は2017.2.23に撮影

「アオイスミレ」は葉の形が、京都の「葵祭」でも知られる「フタバアオイ」と似ていることから、この名になった。学名の「Viola hondoensis」の「Viola」はスミレの古名である。ずいぶんと昔から「Viola」と呼ばれていたようだ。「hondoensis」は「日本の」というような意味である。「 hondoensis」と書くとラテン語っぽいが「hondo」は「ほんど=日本本土」ということらしい。「学名」と聞くと身構えてしまうが、実は意外と簡単な表現が多い。とは言ってもラテン語がまるっきり分からないということが大きな障害なのだが。

スミレの仲間は日本国内に60種ほどあるという。結構な数だ。それに当たり前と言えば当たり前であるが、みんなよく似ているのである。ほとんどの花は紫色で、その濃淡の違いが目につくぐらいだ。たまに白い花のスミレを見かけるが、違う種でなく紫色の花の変種だったりする。紛らわしいのである。

そんなそっくりさんばかりのスミレ達であるが、この「アオイスミレ」は他のスミレと見分けがつき易い。以下に見分けるポイントをいくつかあげてみた。

①葉の形が徳川家の紋所で使われている「葵(フタバアオイ/ウマノスズクサ科)」に似ている。要はトランプのスペードの形である。ただ、同じ様な形の葉を持つスミレは他にもたくさんいるので決め手にはならない。

②株から茎が地面に這うようにのびて根を出し新しい株を作る。つまり、いくつかの株はつながっているのである。これは他のスミレに見られない大きな特徴である。
左から茎がのびてきている。途中で根を出し、新しい茎が立ち上がる。花も咲いているが季節は12月である。元気だなあ。(2015.12.5撮影)

③花期が他のスミレより早い。冒頭に「花期は3〜4月」と書いたが名古屋では2月の中旬には咲き始める。3月になればもう満開である。
満開の「アオイスミレ」(2016.3.5撮影)

写真:zassouneko
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