そろそろ焦りだす
2014年の年末にiPad Air(2じゃない)を購入してから2年が経った。半年ほど前からなんとなくバッテリーの保ちが悪くなったなと感じていたが、とうとうどうしようもなくなった。症状は以下の通りである。
①ケーブルで繋いで一晩充電しても、翌朝起動させようとするとバッテリー不足の表示が出て立ち上がらない。
②取り敢えずそのまま10分ほど放置するとようやく起動する。さっきまでバッテリー不足の表示が出ていたのに、なぜか100%充電になっている。
③ケーブルをはずして操作していると
1時間ほどでバッテリーがなくなる。残量が少なくなると「バッテリーが10%以下です」の表示が出るのだが、それとほぼ同時に電源が落ちてしまう。そうなると①②を繰り返すことになる。
④とうとうケーブルを繋ぎっぱなしの状態にしたのだが翌朝には①②の繰り返しとなってしまう。また、スリープ(ロック)の状態になると①②が繰り返されるので、仕方がないのでロックしないように設定し直して使用している。
だいたいケーブルが繋がっているのにバッテリー不足になるとはどうしたことだ。バッテリーだけでなく電流を制御するプログラムも壊れてしまったのだろうか。
このままでは不便なので、そろそろ重い腰を上げねばならない。バッテリーの交換を視野に入れ、いろいろと検索してみる。修理をするとすべてのデータが消えてしまうことは知っていたが、「設定→iCloud→バックアップ」にチェックを入れてあるので気にしていなかった。そこから復元すればよいのである。ところが「iCloud」がバックアップしているのは「設定→iCloud」に表示される項目だけであるので、PagesやiBooks、Google関連やその他のアプリや書類は消えてしまうという。iBooksなどApp Storeを通して購入したものは履歴が残っているので復元できるのだが、個人で作成したPDFなどは消えてしまうだろう。これでは駄目だ。そうなると別のパソコンにつないで「iTunes」経由でバックアップを行う必要がある。幸いなことに私は20年ほど前よりMacユーザーである。iMacもある。用意は万端だ。だが、そんな私をとてつもない不幸が襲うことになる。
バックアップをどうするか
さて、iMacでバックアップを行おうとしたのだが、OS(10.5)やiTunesのバージョンが古すぎて使えないことが判明した。なんということだ。バックアップのために新しいマックを買うわけにはいかない。OS(スノーレパード)を数千円で購入してバージョンをあげようかとも考えたが、今のiMacは仕事にも使うので何か不都合が起きても困る。 仕事優先である。
写真などは「Google drive」に移動できるのでiBooksのデータもできるのではと試してみたが無理だった。このあたりからすべてのバックアップを諦めるか、という気持ちになってくる。そもそも書類やPDFファイルが増える一方だし、それらをすべて利用しているかといえば疑問である。よく利用するファイルはほとんど決まっているので、またダウンロードすればよいのである。などと無理やり前向きな気持ちを奮い立たせてみたりする。
さて何か「断捨離」をしたようなサッパリとした気分になったが、すぐその後でもう一つの方法があったのを思い出した。Windowsマシンでもバックアップを行えるのである。嫁のノートパソコンはWindowsでバージョンは8である。iTunesのバックアップに対応しているはずなのでさっそく試してみる。やはり今までのデータを捨てるのは惜しくなってきた。
さっそく嫁にiTunesをダウンロードしてもらい、iPadにネットで見つけたバックアップの仕方を表示しながら嫁に作業を指示する(嫁のパソコンである)。あ、嫁はマックが嫌いである。理由は「よく分からんから」である。こっちはWindowsがよく分からない。家庭内の断絶である。それはそうと‥とりあえず順調なのかな‥?なんだかよく分からんな。バックアップしているのか?進行状態を示すプログレスバーぐらい出せよ。えー、いつ終わるんだ。嫁がどうするんだと聞いてくるが、さっぱり分からない。取り敢えず見守ることにする。嫁がゲームを始めたので私は酒でも飲むことにしよう。しばらくすると嫁がメッセージが出たと言う。おお、終わったか。なになに「途中で機器が外されました」。あああ、iPadのバッテリーがなくなっていた。充電してやり直しだ。なんだよ、USB経由で給電をしないのか。あーあ、充電に2時間はかかるな。とほほ。嫁は寝てしまった。
なんとかバックアップ終了
さて、酒がほどほどにまわったころにiPadの充電が完了した。嫁さんがいないので不慣れなWindowsマシンに一人で立ち向かうことになる。えーと、iTunesを立ち上げてiPadをつないでと。編集→設定で「デバイス」を指定するんだったな。何やら「iPadなんちゃらプログラムをダウンロード」と言われる。了解するしかないがiTunesの他にプログラムが必要なのかと不思議な気がする。ポチッとなと。うーん、これでバックアップしているのか。
なんだか手応えがないので、5分ほど待ってからiTunesを終了させようとしたが「バックアップ中だ」と文句をいう。あれれ「なんちゃらプログラム」はどうなったのか。よくよく観察すると、iTunesアプリの画面の上のやや右、検索の横にある小さな丸いマークがわずかに動いているのを発見した。クリックすると進行状態を表示する。ここでようやく理解した。「iPadなんちゃらプログラム」とはバックアップデータのことであったのだ。おかしな名前をつけるな。バックアップデータは2ギガほどあったので20分ほどかかるようだ。やれやれ一安心だ。iPadの充電がなくならないように祈りながら酒を飲みに戻る。
さて、あと1分で終了だ。よし終わった。うん、なんかiTunesが確認作業を始めたぞ。5分ほど待つ。よし、今度こそ終わっただろう。あれれ、今度はiPadが何かダウンロードし始めたぞ。あっちやこっちで忙しいことである。どうなっているのかよく分からんな。もう勝手にやってくれ。だいたい、アップルのサイトには「iTunesでバックアップ」としか書いていない。サイトは綺麗だが細かな手順が見当たらない。どこに載っているのだ。すぐに見つからないようでは、いいデザインのサイトとはいえない。不親切である。アップルが嫌われる原因の一つだろう。だが考えてみるとAppleのバックアップをWindowsでできるようになっただけでもすごいことである。その代わりにデバイス類がどんどんとレガシー化していき、あっという間に仕様が合わなくなっていく。アップル製品は他社に比べ割高なのでそうそう買えるものではない。それに私はクリエイターでもアーティストでもない一般人だ。
バッテリー交換(修理)を申し込む
とりあえずバックアップも終わったので(復元できるかどうかは知らんが)、アップルに修理を申し込むことにする。Apple以外の業者でもiPhoneの修理やバッテリー交換をしてくれる所はあるが、iPadのバッテリー交換はどこもやっていない。なのでAppleにネットから配送での修理を申し込むことにする。だが事前に用意することがいくつかある。
①アップルIDを持っていること。
②「設定→一般→情報」でiPadのシリアル番号をメモに書き留めておく。
③「設定→iCloud→iPadを探すをOFFにする」
④申し込みの途中でアップルからID確認コードがメールで届くのでメモをする。
⑤この他に「電話サポート」というのがある。直接にやり取りができるし、疑問点もすぐ聞ける(電話していないので詳しくは知らない)。
さて分かりにくいアップルのサイト→サポートから迷いながら修理の依頼を始める。途中に故障や不都合の症状を記入する欄があるが、不都合もなにもただのバッテリーの寿命である。ただ「バッテリーの寿命です」と書くと、偏屈な医者にありがちな「あなたの意見はどうでもいい、風邪かどうかの病名は医者が決める」とアップルから言われそうなので淡々と症状を列記する。少々ムカつく。電源を管理するプログラムの故障ということもあるが、買った当初から充電のタイミングには気をつかってきたつもりである。
取り敢えず申し込めた。途中で「アップルの責任の範囲」やら「重大な故障なら追加代金が発生するぞ」と何度も念をおされる。少々、不愉快。ただのバッテリーの寿命だっつーの。 それにしても金額がなかなか出てこないな。だいたいの目安としての金額をPDFで一覧表にでもして貼っておけよ。こっちにも心の準備というものがある。
金額は26,784円である。あー高いな。バッテリー1つと技術料の値段がこれである。Androidのタブレットの新品が手に入るなあ。ただ、この金額は「見積もり」らしいので、これより低くなる場合もあるらしい。また「AppleCare Protection Plan(2年契約/iPadは9,400円)」に入っているとバッテリー交換は一万円ほどで済むらしい。金額といい保証期間といい、どっちが得かは微妙だなあ。iPadを毎日使うなら入った方がいいだろう。他の箇所に問題が無くともバッテリーは確実に劣化するから入っていれば6,000円ぐらいは得をする。それに加入していた方がアップルの態度が親切になるだろうなとは想像がつく。偏見かな。
修理が終わったら、バックアップの成果なども含めて報告したいと思います。(2016.12.13)