忍者ブログ

雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

さらば、楽園/ある夏の出会い

今年(2016年)の夏、突然に楽園が出現した。と言っても住宅街にできた、ただの空き地である。場所は白壁の金城学院高等学校のすぐ近くである。普段はあまり足を向けない場所なので、以前の様子はおぼろげにしか覚えていない。樹木に囲まれた古いお宅が建っていたような気がするが、こんなに敷地が広かったとは。小学校の校庭とまではいかないが、かなり大きなマンションでも余裕で建てられそうだ。見渡すと更地になってから少し時間が経ったようで雑草だらけである。これは面白そうな予感がする。だが、ここは街中の一等地である。空き地のまま放置するとは思えないので、近いうちに何かが建つだろう。あまり時間はなさそうだ。急がなければ。さて、以下はその記録である。ここでしか見たことのない雑草を中心に紹介しています。いずれの植物も本ブログで取り上げていますので(トマトは除く)、よろしかったらそちらもどうぞ。

「トマトダマシ(ナス科/ナス属)」 帰化種 北アメリカ原産
情報がほとんで見当たらず、名前が分かるまでにずいぶんと苦労をした。ほとんど知られていない雑草だが歴史の節目に顔を出す。調べていて面白かった。全身に細く長い棘があるので迂闊に触るのは危険である。葉にも棘がある。

「ギンセンカ(アオイ科/フヨウ属)」 帰化種 地中海沿岸が原産地。
江戸時代に観賞用として渡来。花は小さく全体に地味ではあるが、これでも「ハイビスカス(学名)」である。

上を「コアカザ/帰化種 ヨーロッパ原産」(草丈は50㎝)、下を「ホソバアカザ/在来種」(草丈は2m)とした。いずれもヒユ科アカザ属である。上が成長すると下になるのかもしれないが、どのサイトにも両者がこれほど大きくなるとの記述はない。詳細は不明だ。以前、この植物を取り上げた時に、このブロッコリーのような部分を「食べられそうだ」と書いたが、実際に佃煮のようにして食べるそうである。

左「ホウキヌカキビ/帰化種 北アメリカ原産」、右は「ヌカキビ/在来種」とした。いずれもイネ科キビ属。右を「ヌカキビ」としたが「オオクサキビ/帰化種 北アメリカ原産」かもしれない。イネ科は判別が難しい。
左「ヒヨドリジョウゴ(ナス科/ナス属)/在来種」、右は「コヌカグサ(イネ科/ヌカボ属)/帰化種 アジア、ヨーロッパ原産」とした。右は「セイバンモロコシ/帰化種」のような気もする。

ここからは他でも見られる雑草なのでサクサクいく。

「赤紫蘇」と「青紫蘇」。それぞれ10本ほどが広範囲に散らばって生えていた。

左は「ルコウソウ/帰化種」で朝顔の仲間である。右は普通のトマトだと思う。ピンポン球ほどの大きさ。この2つはもともと庭に植わっていたものかもしれない。

左は「ケチョウセンアサガオ」。葉の手触りがいいのが特徴。右は「ヒメムカシヨモギ」か「オオアレチノギク」かな(いずれもキク科)。右はまだ蕾もついていないが私の背丈より高い。このまま成長すれば2mを軽く越えるだろう。途中で枝分かれしているが、普通の植物と比べて全体のバランスがおかしい。こんな変な形で成長するので「ヒメムカシヨモギ」のような気がする(注意:これは私の考えである)。

9月の下旬頃、再びこの場所を訪れてみると空き地の周囲は高い壁に囲まれていた。これでは入ることはできない。いよいよ工事が始まるようである。「雑草の楽園」との別れの時が来たようだ。ここは雑草の宝庫だった。

後日、買い物の帰りに様子を見に行ってきた。どんな建物が建つのか興味があったのだ。工事内容の看板を見ると「温泉掘削」と書いてある。温泉?!こんな街中で? 今のところ「掘削」としか記載がないので、この温泉をどう活用するのかは分からないが、今度は「人々の楽園」になるようだ。 事業者名から推測すると「温泉付き超高級老人ホーム」の線が濃厚だ。住宅街の真ん中に「立ち寄り湯」は建てないだろう。

写真:zassouneko
PR