コバノセンダングサ(小葉の栴檀草)/キク科/センダングサ属 /(2015.5.30記事参照)
北アメリカ原産 帰化種 渡来時期は不明 1年草 花期8〜11月 草丈は30〜90㎝
コセンダングサ(小栴檀草)/キク科/センダングサ属
熱帯アメリカ原産の帰化種 江戸時代に渡来 1年草 花期は9〜11月 草丈は30〜180㎝
両者の違いは花と葉の形である。両者とも中央の目立つ黄色の部分には小さな花(筒状花)がいくつもついているのだが、「コセンダングサ」は「コバノセンダングサ」に見られるような花弁(舌状花)がないのである。また「コバノセンダングサ」の葉は「ヨモギ」の葉のように細かく分かれているので容易に判別はつく。
「コバノセンダングサ」(上)
「コセンダングサ」(下)
「センダングサ」の仲間の種子はいわゆる「くっつき虫」である。同じ仲間だけあって種子はよく似ている。中国では「コバノセンダングサ」を「鬼針草」、「コセンダングサ」を「三葉鬼針草」などと呼ぶ。
「コバノセンダングサ」(上)
「コセンダングサ」(下)
近所で見つけたのは今の所この2種である。「栴檀(センダン)」の葉に似ているから「栴檀草」と名付けられたのだが、写真を見比べる限りではそこまで似ているとは言い難い。「センダン」の名を借用したのはネームバリューがあったからだろう。それはそうとして、実はこの「栴檀」(樹木の方のセンダン)はちょっと面倒なことになっている。「栴檀は双葉より芳し」の言葉もあるように、誰もがいい香りのする木のことだと知っている。また、それが「白檀(びゃくだん)」と呼ばれることもご存知だろう。「白檀」はサンスクリット名を「チャンダナ」といい、それが中国に渡って「センダン(栴檀)」になったようだ。中国では「白檀」を「檀香」、または「栴檀」と呼ぶ。それが日本に伝わったのだが、日本にはすでに「栴檀」と呼ばれる別の木があったのだ。同じ名の植物があるのは都合が悪いので、渡来してきた方を「白檀」とした。ところが貿易などで取引する場合は「栴檀」だし、中国の書物にも「いい香りのする木は栴檀」と書いてあるわけだから、どうしても「栴檀」と呼ばれてしまうのだ。中国の書物は日本にも渡ってきているし、漢語を読める者も多くいたのである。つまり「白檀」という言葉は中国では通用しないのだ。
写真:zassouneko