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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

「ツル(ヅル)、ツタ(ヅタ)、カツラ、カヅラ、カズラ、ツヅラ、ツズラ、フジ」何がどう違う/つる性植物/その1

最初に。この「つる性植物/その1、その2」はどうもスッキリしない感がある。何か重要な情報が抜けている気がするのだ。それでも公開してしまったのは、「せっかく書いたのだから」という貧乏性のせいである。最初にお詫び申し上げます。

巻きひげをコンクリートに吸着させて登っていく。名前は調べていない。

「ツル(ヅル)、ツタ(ヅタ)、カツラ、カヅラ、カズラ、ツヅラ、ツズラ、フジ」は、どれも「つる性植物」を表しているように思われる。だが、どう違うのか、どう使い分けるのかが、まるで分からない。なので調べてみる。一つお断りをしておきたいのは、あくまでも素人の調査である。あまり期待しない方がいい。

まず、それぞれを漢字にしてみよう。安直に漢字変換するために「ひらがな」にする。
「つる(づる)」は「蔓」。「アマチャヅル(甘茶蔓)」はこれである。
「つた(づた)」は「蔦」だ。「蘿(ヒカゲノカズラの古名)」も候補に出てくるが無視してもいいだろう。
「かつら」は「葛」だ。「鬘」も出てくるが、これは頭にのせるアレであるから関係はない。「桂」は樹木である。また単独だと「クズ」とも読む。「クズ」は「マメ科」で秋の七草にも登場する植物だ。
「から」は何も出てこないが、「から」だと「蔓、葛、鬘」が出てくる。「蔓」は「つる」だと思っていたが。それに「葛」「鬘」は「から」と読むが「から」とも読むようだ。「から」と読むのに、なんで「から」にしないのだろうか。しかも「鬘」を「から」と読んだ場合は、「つる性植物」の枝や花を使った「髪飾り」の意味になるのである。
「つら」は「葛」だが、「つら」には該当する漢字が無い。
「ふじ」は当然「藤」である。普通は「藤棚」で見事な花を咲かせる「藤」のことを指すが、木に分類(木本)される「つる性植物」も「〜フジ」と名付ける場合もあるという。そういった取り決めが混乱を生む原因ではないのか。
不思議なのは「から」があるのに「から」がないことだ。つまり「から」「つら」は存在しないのだ。

「木蔦(アイビー)」の仲間。外来種。常緑性なので植え込みやガーデニングでよく使われる。平らな場所だと一面を覆うように広がるので、中にゴミがあっても目立たない。やれやれ。

今度は漢字から読みと意味を探る。読みのカタカナは音読みで平仮名は訓読みである。
」は「マン、バン、つる、かずら」と読み、意味は「つる性植物の茎や巻きひげの部分」とある。他の意味もあるが、植物に関わるものだけを記載した。
」は「チョウ、つた」であるが意味が面白い。全文を載せます。「 ぶどう科のつる性落葉植物。巻きひげに吸盤があり、夏、薄黄緑の花をつけ、秋、葉が紅葉する。壁や塀などにはわせる」とある。ところが「セイヨウキヅタ」というものもおり、こちらは常緑の植物で「ウコギ科キヅタ属」である。一般に「アイビー」と呼ばれておりマンションなどのエントランスや植え込みには必ずといっていいほど植えられている。つまり、この「キヅタ」を「木蔦」と書くと間違いになるのだ。「蔦」は「ブドウ科」専用の漢字なのだ。
さて、そこら中に顔をだす「」である。常用漢字としての読みは「カツ」「くず」であるが、その他に「かずら」「 つる」「くず」「つづら」、音読みだと「カツ」「カチ」と多彩である。最初の「カツ」は「葛飾区」でおなじみ、「くず(葛)」と読むと秋の七草でも有名な植物となる。「蔓」も「かずら」と読むが、平仮名の「かずら」を漢字で表す時に「蔓」「葛」と書き分けるニュアンスが分からない。どこで区別しているのだろうか。そして「つる」「つづら」とも読むのが厄介である。「つる」って何だよ、「蔓(つる)」の立場がないではない か。「葛」の一文字で「つる性植物」を代表しているかのようである。また「つづら」は「葛籠」で、つる性植物で編んだ箱型の「かご」のことを言うが、「葛」一文字でも「つづら」になる。よく分からん。あ、「つづらおりの道」は「九十九折り」と書くようである。「葛織り」ではない。

少し前に記事にした「アオツヅラフジ」に花の感じが似ている。葉が大きいので「ツヅラフジ」かな。「ブドウ科」かもしれない。

さて、これまで分かったことをまとめてみよう。
●「つる性植物」とは、自立しないで他の植物などに巻きついたり、「蔓」を引っ掛けたり、巻きつけたり、くっつけたりして上へのびる植物である。草(草本)や木(木本)、藤(藤本)がある。
●注意していただきたいのは「つる性植物」の「つる」は「平仮名」であることだ。これは植物の性質(つる性)のことを言う。「蔓(つる)」と書くのは「巻きひげ」の部分か、「茎全体」を指す。例:「蔓でロープを編む」
●「ツル(ヅル)、ツタ(ヅタ)、カツラ、カヅラ、カズラ、ツヅラ、ツズラ、フジ」のうち、「カヅラ」「ツズラ」は存在しないようだ。「カツラ」があるから「カヅラ」も有りそうであるが、無いのである。

ここまで書いてきたが、困ったことに自分でも内容をよく理解できていない。「カヅラ」「ツズラ」が存在しないのは、文部科学省が定めた「現代仮名遣い」との関連があるようだが確信はない。その辺りは「その2」で考えてみたい。話が長くなって申し訳ない。

写真:zassouneko
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