アメリカ東部・メキシコ原産の外来種 多年草 花期は春から夏 別名は宿根コバンソウ、西洋小判草、ニセ小判草 学名:Chasmanthium latifolium
「ワイルドオーツ」はおそらく商品名だろう。直訳すると「野生の燕麦(エンバク)」になる。ところが「燕麦」の野生種は「カラスムギ」なので、「ワイルドオーツ」の意味は「カラスムギ」になる。おかしな名前である。なお「燕麦」はシリアル食品の一つ、グラノーラの材料である。
こちらが「コバンソウ」。
和名はついていないようだが、別名は「コバンソウ」だらけである。「ワイルドオーツ」を簡潔にイメージさせる既知の植物が「コバンソウ」しか見当たらないからだろう。ただ、「宿根」はいいとしても「西洋」って。もともと「コバンソウ」はヨーロッパ原産なのだが。それに「ニセ」に至っては、この植物が気の毒になってくる。「ニセモノ」呼ばわりはひどすぎる。もっと植物に気を使ってもらいたいものだ。「コバンソウ」は実に厚みがあるが、この「ワイルドオーツ」は薄い。ペラペラである。
6月頃の写真。今回、紹介している「ワイルドオーツ」(冒頭の2枚の写真)より背が高い。倍近くある。種類が違うのだろうか。
最初に見つけたのは6月の初め頃だったろうか。今から2ヶ月も前のことだ。笹のような本体から「イヌムギ」のような穂が唐突に生えている。どう見ても「イネ科」に見える(笹もイネ科である)。すぐに名前が判明するだろうと考えていたが、さっぱり分からない。仕方がないので放置していたのだが(そういった植物が50種以上ある)、久し振りに近くを通りがかったついでに寄ってみた。そうしたら少し離れた場所で同じような植物を見つけた。あれから2ヶ月も経っているので、新たに生えたもののようだ。どうにも気になるので、改めて腰を据えて検索を続けていたら、ようやくそれらしい画像を見つけた。やれやれ。どうやら比較的新しい園芸種のようである。どうりで野草(雑草)植物のサイトを探していても見つからないわけだ。
この植物を検索すると、「育て方」か「販売」の情報ばかりが目につく。その「育て方」の中に「素人でも栽培は簡単」と書いてある。少し気になったので「日本の帰化植物」を調べてみると、すでに帰化が確認されていた。いつ頃から輸入されるようになったのかは不明であるが、素人が簡単に育てることができるような植物が日本に定着しないわけがないのである。
写真:zassouneko