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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

ミントの逆襲/その3/「ミントテロ」にご注意を

ミント/シソ科/ミント属
ヨーロッパ・アジア原産の帰化種 多年草 花期は8〜10月

上の写真はおそらく「アップルミント」。上が5月の中旬、下がその一カ月後。ずいぶんと背が高くなり、しかも密集している。これでは他の植物が入り込む余地がない。

ここ最近、ネットでは「ミントテロ」という語句を、よく目にするようになった。その多くは、庭に「ミント」が生えてきたので、抜いてそのまま放置していたら、翌年になって庭全体が「ミント」に覆われてしまったという被害の報告である。それを「ミントテロ」と表現している。「ミント」は繁殖力がきわめて強いので、刈り取るだけでは駆除できない。種子で増えるのはもちろんだが、根が少しでも残っていれば、また生えてくるのだ。刈り取りなどの無駄な抵抗は止めて、「ラウンドアップ」のような農薬に頼るのが一番であろう。「ミント」の栽培は必ずプランターで行い、種や根をしっかり始末しないと大変なことになる。地べたに植えてはいけないのである。

「ミント」を植えたことはないが、「シソ」ならプランターで育てたことがある。夏の終わりには花を咲かせ、翌年には新しい芽を出した。作られた種が翌年に発芽したのである。だが2代目となると、初代とはずいぶんと違う。初代が持っていたスーパーで売っている「シソ」のような鮮烈な香りはなく、弱々しい草になる。種苗会社も心得たもので、2代目は必ず凡庸な性質の植物になるようになっている。この性質は市販されている「ミント」にも当てはまるが、「シソ」とは事情が違うようで、逆に荒々しい性質が表に出てくるようだ。本来持っている雑草としての野生の逞しさを、日本で取り戻したかのようである。つい最近、空き地に「アップルミント(丸葉薄荷)」らしき群生を発見した(冒頭の写真)。1m×10mほどの範囲に、びっしりと育っている。葉をちぎって匂いを嗅いでも(葉の裏を嗅ぐのがポイントである)、ミントの香りはほとんどしない。青臭い草の匂いばかりが強く、かすかに「ミント」の香りがする気がするが、はっきりとは断言できない。群生している植物に顔を近づけても香りはないが、ほんの一瞬だけ、それこそコンマ何秒にも満たない時間、強い甘い香りが漂うことがある。いや、漂うではなく、猛スピードで通りすぎると言ったほうがいいかもしれない。気のせいかと思わせる程の短い時間だけ匂うのである。これは数回経験しているから、錯覚ではないと思う。

この草が「アップルミント」なのかは、まだ断言できないが、花の蕾らしきものが見える。7月になれば花が咲くと思うので、それで確認ができるだろう。この草が「アップルミント」ならば、近在の家庭のプランターから逸出したものであるのは間違いない。日本の名だたる雑草の「ドクダミ」も圧倒するような勢いで繁殖している。ミントの逆襲が始まったようだ。何に対する逆襲かって? 当然「オシャレな生活」である。「家族たちを送り出し、ほっと一息ついた午後のひととき、親しい友人たちを招いてのティーパーティーに欠かせないのは、雑草のミントティーです。スコーンなどと一緒に雑草のミントティーの爽やかな香りを楽しみます。」あー、これではミントブームは「オシャレ業界」では下火になるな。残るは「健康業界」だな。

写真:zassouneko
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