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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

オオキンケイギク/その1/恐るべき侵略者を殲滅せよ!

オオキンケイギク(大金鶏菊)/キク科/ハルシャギク属
北アメリカ原産の帰化種 特定外来生物 多年草 花期は5〜7月

「オオ(大)」と付くからには、当然「大」の付いていない「キンケイギク(金鶏菊)」もある。「オオキンケイギク」より一回り小柄で、写真を見る限りでは花はそっくりだ。日本には明治12年(1879年)に渡来しており、原産地は「テキサス州」らしい。そこまで詳しく分かっているのかと感心するしかないな。また「オオキンケイギク」は多年草だが、「キンケイギク」は1年草である。「金鶏」とは中国の南西部からチベット、ミャンマーにかけて生息する「雉(キジ)」の1種で、金色、黄色、オレンジなどの羽毛をまとった美しい鳥である。この鳥はかなり有名らしく、日本でもすでに江戸時代には観賞用として飼育されていたそうである。今は動物園に行けば見ることができるだろう。「キンケイギク」は日本に帰化していない(帰化できなかった)ようで、園芸種のみが存在している。話はそれるが、この「金鶏(鳥の方です)」の表記が、ほとんどのサイトが「金」としているのに対し、ウィキペディアだけが自信満々に「錦」としている。鳥方面に関しては詳しくないので、どちらが正しいのかは判断できない。もし「錦」が正しいとしたら、この花の名前の由来が分からなくなってしまう。 なお「鶏」の字が「雞」や「鷄」になっている場合もあるが、どれでも意味は同じである。中国だと「金鷄」を使い、「雞」は「料理」の名前に付くらしい。

属名の「ハルシャギク属」とは「ペルシャ(波斯)の菊」ということらしい。そのものズバリの「ハルシャギク」という名前の花も帰化しているが、何でペルシャなんだ? 「キンケイギク」も「オオキンケイギク」も「ハルシャギク」も北アメリカ原産で、ペルシャの影も形もない。学名にも地名に関連する意味はなさそうだ。あるブログによると「コスモス」の別名を「オオハルシャギク」といい、「大春車菊」と書くとあったが、「コスモス」が咲くのは秋であるから「春」とつけるのは変だ。だいいち「春車」も「ペルシャ」とは関係がない。一体何なんだ「ペルシャ」って。ダジャレか。

左:「オオキンケイギク」、右;「キバナコスモス」
似たような花があったなと思い、探してきたのが「キバナコスモス(キク科/コスモス属)」である。こうして並べてみると、まったく似ていないなあ。咲く季節も違うし。

「オオキンケイギク」は「キンケイギク」と同じ北アメリカ原産で、「キンケイギク」より遅れて渡来している。詳しい渡来時期は不明で、明治の中頃ではないかといわれている。そういえば、この花、何か問題があったような記憶があるので、環境省の「要注意外来生物」のリストを検索したが載っていない。勘違いかと思ったが、載っていないのも当たり前で「特定外来生物」にも指定されている「お尋ね者」だったのだ。法律で栽培や繁殖などが禁止されており、法を破ると犯罪となり、当然罰則もある。これがかなり厳しいもので、許可なく庭に植えたり(個人に許可など出るわけないが)、譲渡すると1年以下の懲役、100万円以下の罰金、個人で繁殖させて販売したりすると3年以下の懲役、300万円以下の罰金、それを法人が行うと1億円(!)以下の罰金となる。それほどの重罪なのだ。  また、この花は有識者による「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれている。見かけは綺麗だが、日本の自然にもたらす影響は甚大であるから駆逐する必要があるが、その道のりは遠そうだ。駆除が進まないのはいろいろな問題があるからなのだが、それは別稿で。

なんかねー、今これをブログにアップする前に、もう一度確認しておこうと、あちこちサイトを回ってみたのだが、そうしたら面倒くさいことに気づいちゃったのよね。それは別項に書きますけど。あー面倒だ。
写真:zassouneko
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