忍者ブログ

雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

ホソムギとネズミムギの見分け方

①ホソムギ(細麦)/イネ科/ドクムギ属 別名はペレニアル・ライグラス
ヨーロッパ原産 30〜60cm 花期は5〜6月
②ネズミムギ(鼠麦)/イネ科/ドクムギ属 別名はイタリアン・ライグラス ヨーロッパ原産 1・2年草 60cm前後 花期は5〜7月
③ネズミホソムギ(鼠細麦)/①と②のハイブリッド

この3者は区別がつきにくいが、見分けるポイントはある。それは「芒(のぎ)」を見比べることである。以下の写真をご覧いただきたい。ただし、素人であるので思いっきり間違っている可能性がありますからご注意を。信頼できる書物をご覧になった方が懸命です。
①に「芒(のぎ)」は見当たらないので「ホソムギ」だろう。②は③に比べて「芒」が短いので「ネズミホソムギ」ではないか。③と④が「ネズミムギ」ではと思うのだが、植物関連サイトの写真と見比べてみると「ネズミムギ」の「芒」はもっと長いように見える。③も④も「ネズミホソムギ」かもしれない。「ホソムギ」と「ネズミムギ」はとても近い種で、交配しやすいので変種が生まれやすいと言われている。

属名にもなっている本家本元の「ドクムギ」の画像がなかなか見つからず時間がかかったが、その写真から分かったことは「ドクムギ」は実を支える部分(④の矢印参照)が、①〜③と比べて大きくて長いということだ。長さは2倍以上はあるだろうか。それに「ドクムギ」の方が「ライ麦」に似ている。これなら「ドクムギ」と名付けられたのもうなずける。写真を1枚しか見ていないのでそれでアレコレ言うのも何であるが。          

「ホソムギ」「ネズミムギ」の別名にいずれも「ライグラス」とあるが、この「ライ(rye)」とは「ライ麦」のことである。おそらく「ライ麦のような草」という意味だろう。上の写真は「ライ麦(無料画像サイトより)」で、「芒」が短く、なるべく「ホソムギ」や「ネズミムギ」に似ているものをダウンロードした。ここまで成長すると似ているとは言い難いが、生え始めの「イネ科」の植物は全部同じに見えるのだ。私はまだ見つけてはいないが、他に似ている植物として「シバムギ」「ボウムギ」というのがあるそうだ。
ついでにこの季節に多く見られる(といっても名古屋市東区界隈のことであるが)「イネ科」の植物を2つ上げておく。⑤は「イヌムギ」で⑥は「アオカモジグサ」である。なお⑥についてだが、枯れた時に穂の部分が真っ黒になれば「カモジグサ」、白くなると「アオカモジグサ」であるが、ここ東区界隈では「アオカモジグサ」しか見当たらない。

以前、「ドクムギ」は日本には自生していないと書いたが、環境省の「要注意外来生物に係る情報及び注意事項」によると「ドクムギの野生化を確認したという報告」があるそうだ。「ドクムギ」と聞くと心配になってくるが、「毒キノコ」のように、いつも「毒」を持っているわけではない。「麦角菌」に感染した時だけ「毒」ができるのである。それなのに「ドクムギ」と名付けられたというのは可哀想である。麦角菌は「ドクムギ」にだけ感染するのではないからである。命名までの経緯に気になる点があるので、別の機会に発表したい。

写真:zassouneko
PR