トキワツユクサ(常盤露草)/ツユクサ科/ムラサキツユクサ属
南アメリカ(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ)原産の帰化種 常緑の多年草 要注意外来生物 花期は5〜8月 別名:ノハカタカラクサ
昭和の初期に観賞用として渡来、その後帰化した。要注意外来生物ということなので国立環境研究所のサイトを見にいったのだが、載っていない。調べ直すと「ノハカタカラクサ」で登録されている。どうやらこれが正式の和名であるようだが、いろいろとサイトを見て回った結果、統一はされていないようだ。ここでは「ツユクサ」が入っている「トキワツユクサ」で話を進める。「ノハカタカラクサ」を最初は「野墓宝草」と脳内で漢字変換して、変な名前だなと思っていたが、実際は「野博多唐草」だった。それでもちょっと変な名である。「唐草」と称される植物は「ウマゴヤシ」というカタバミに似たマメ科の植物だが、「ハカタカラクサ」との関連は見当たらない。「唐草模様」とは風呂敷でも有名で、つる性(ブドウなど)の植物を題材にした連続性のあるデザインのことであるが、この花をそう呼ぶようになった経緯は不明だ。まあ一番分からないのは「博多」だ。最初に「博多」に渡来したのだろうか。それが「長崎」なら納得できるのだが。
名前の由来は「野」にある「ハカタカラクサ(博多唐草)」であるから、「野」でない「ハカタカラクサ」もある。それはピンクの花を持ち、葉に2筋の白く太いラインが入っている植物である。この「ハカタカラクサ」は渡来時期も不明で帰化できなかったようで、現在は温室で栽培されているとのことだ。「ノ(野)ハカタカラクサ」は「ハカタカラクサ」と比べると見劣りがしたようで、それならばと「野=ワイルド」と名付けたのではないか。その名のとおり、その後帰化して要注意外来生物に指定されるまでになった。「トキワツユクサ」は常緑の「露草」という意味だが、面白味のない名前だ。
最初に見かけた時から「ずいぶんと地味な園芸種だな」と感じていたが、庭以外の場所でも見かけるし、気になって調べたら、すでに帰化種になっていた。それも特定外来生物の指定付きである。この植物は花弁が3枚であるのが大きな特徴だ。「白い花、花弁3枚、春」で画像検索をかけたら、5秒で判明した。いつもこんなに楽だといいのだが。
写真:zassouneko