在来種 アジアの温帯・熱帯に分布 多年草 30〜60cm 花期5〜6月 別名/チ、カヤ、チバナ他多数 漢名/白茅
子供の日が近い。先日「ショウブ」を取り上げたので「チガヤ」も扱わないわけにはいかない。「チガヤ」は「チガヤ/最強の侵略者」で一度書いたので、内容がダブる部分もあるが、今回は「食べる」に焦点を当ててみた。
まずざっと「チガヤ」の紹介を。「茅萱(チガヤ)」の「茅」は「矛」に「くさかんむり」を載せたものである。「矛盾」の「矛」であり、これは「鉾(ほこ)」のことをいう。「鉾(ほこ)」とは槍や薙刀の原型のような武器で、この花の形や葉を武器に見立て、魔除け・厄除けにしたのだ。「チガヤ」が使われる蘇民将来の説話や「茅の輪くぐり」も厄除けである。
「粽(チマキ)」は今は笹の葉で包んであるが、「茅萱巻(チガヤマキ)→茅巻(チマキ)」になったように、元々は「チガヤ」の葉で巻いた。そこには当然、魔除け・厄除けの意味がある。また「チガヤは噛むと甘い」という話をどこかで見かけた記憶があったので、茎を1本引き抜いて噛んでみたが甘くはない。改めて調べてみたら、生えたばかりの若芽を「ガムのように噛む」とあった。しまった、若芽の季節はとうに過ぎてしまっている。来年を待つか。葉の根元から突き出している細く鋭いものを見つけたら、それが「チガヤ」の若芽である。
「チガヤ」はあっという間に咲く印象がある。上の写真が2015年の5月5日で、下の写真が5日後の5月10日である。上の写真の道路のすぐ脇でひょろひょろと伸びているのは「ミチバタナデシコ」である。
紫色に見えるのは雌しべの柱頭で、受粉後に種が成熟すれば白い綿毛に乗せて空に放たれる。
写真上:5月の末日の様子。
写真:zassouneko