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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

ニワゼキショウは小さなアヤメ

ニワゼキショウ(庭石菖)/アヤメ科/ニワゼキショウ属
北アメリカ原産の帰化種 明治時代中期に渡来 多年草

まず最初にお断りしておきますが、「菖蒲」と書いてあったら必ず「ショウブ」と読んでいただきたい。「アヤメ」と読むのは禁止です。頭の中に紫色の花を思い浮かべてもダメです。「ショウブ」の花は「アヤメ」とはまるで違ったものです。それに「アヤメ」の漢字は「文目」か「綾目」です。

花も草丈も小さい。黄色の花は「カタバミ」である。その小ささがお分かりいただけると思う。

「庭石菖」は「庭に咲く石菖」であるから、庭に生えていない「石菖(セキショウ)」もいるわけである。庭に生えない「石菖」は、山中の渓谷の石や岩だらけの場所の川の近くに生えている。「石(岩)」の脇に生える「菖蒲(ショウブ)」、つまり「石菖蒲」であり、これを略して「石菖(セキショウ)」となった。この「菖蒲」とは5月5日の「菖蒲湯」で使われる植物である。

ところが「石菖」も「菖蒲」も「ショウブ科」であり、「アヤメ科」の「ニワゼキショウ(庭石菖)」とは何の関係もない。アヤメ科の「庭石菖(ニワゼキショウ)」とショウブ科の「石菖(セキショウ)」では似ているところは、ほとんどない。強いて言えば「葉が細い」ということぐらいだろう。

観賞用として輸入されたとあるが、とにかく小さすぎる。また花も1日でしぼんでしまうが、他の蕾が次々と花を咲かせるという。つまり、あたり一面に咲いていれば見応えはあるということだ。それに、この花の形を見て「アヤメ」を連想することはできない。とても同じ仲間だとは思えないが、葉の形が「アヤメ」に似ているといえば似ている。
花の色が薄紫の「ニワゼキショウ」。花の下に見える丸いものは「さく果」で種が入っている。なんか可愛い。

写真:zassouneko
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