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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

アレチギシギシ/街は荒野か安住の地か/スイバの可能性あり

アレチギシギシ(荒地羊蹄)/タデ科/ギシギシ属
ヨーロッパ原産の帰化植物 多年草 明治時代に渡来 花期は6〜10月

追加・訂正・注意(2016.5.6):他の植物を調べていて、偶然「スイバ」と「アレチギシギシ」の写真を見かけた。見比べてみると、どうも「スイバ」であるような気がしてきた。「アレチギシギシ」は全体的に貧弱な感じを受けたのだ。

いつものことだが、名前が合っているかは自信がない。「アレチギシギシ」とした理由は以下の通りである。まず、「ギシギシ」類の花は緑色なので、この赤いのは実の部分だろう。そして写真のように赤くなるのは「スイバ、ヒメスイバ、アレチギシギシ」が持つ特徴であるようなので、この中にこの草がいるはずである。「ヒメスイバ」は草丈が50cm程であるから除外。次に葉っぱをかじってみる。「スイバ(酸葉)」なら文字通りに酸っぱい味がするはずである。さてと‥うーん、まずい。酸味も感じない。ただの草の味がする。昔から食用とされてきた「スイバ」なら、それなりの味がするだろう。それに「スイバ」の草丈は80cm程だというが、これは1mを優に超えている。たぶん外来種の「アレチギシギシ」だろうが、若干疑問は残る。まず花期がずれている(6〜10月)ことだが、これは気にしないことにする。1〜2ヶ月ずれるのはよくあるのだ。一番の問題は色である。いくつかのサイトの写真を見比べて判断しているのだが、他の「ギシギシ」は本当に赤くならないのだろうか。また実の部分の形で見分ける方法もあるようだが、まだ実はできていない。引き続き観察していくことにしよう。

「ギシギシ」の名前の由来は別項の「ギシギシ」に述べておいた。花の作りが羊の蹄(ひづめ)の形に似ているのだ。と、説明をされるが、実際は蹄の形ではない。丸みのある三角形といったところか(写真下参照)。「アレチ(荒地)」と付いているのは厳しい環境でも生育できるということだ。ざっと調べてみたところ、ギシギシの仲間には「スイバ、ギシギシ、コギシギシ、アレチギシギシ、ナガバギシギシ、エゾノギシギシ、ヒメスイバ」などがあり、最初の3つは在来種だが、それ以外は明治時代にヨーロッパから運ばれてきた外来種だという。すでに100年以上は経っている。
「ナガバギシギシ」
「ギシギシ」は交雑しやすい種だという。次々と交雑種が現れているようだ。そうなるといろいろな特徴が混ざりあってしまい、ますます名前の判断がしづらくなる。しかし名前の判断で四苦八苦しているのは人間だけなのであって、「ギシギシ」達は悩んでいないだろう。交雑が進んでいくと、やがてオリジナルな「ギシギシ」は消えてしまうだろうが、それは人が帰化種を持ち込んだことが原因だ。それを止めようにも、坂道を転がる石のように地面が平らになるまでは転がり続けるのである。そして止まった場所にどんな世界が広がっているのかは誰にも分からない。

葉のほとんどは下部に集中している。

ギシギシ属は体の大きな部類に入る雑草だ。葉も大きくなるし草丈も高く、荒々しい印象がある。体が大きくなると、ただでさえ狭い都市の生息場所はさらに限定され、また目につきやすいので駆除の対象にもなりやすい。「ギシギシ」にとっては不利な条件ばかりだが、繁殖できているのは種が多いからだろう。写真を見ていただければお分かりになると思うが、ずいぶんと種が付いている。それでも次の年に芽を出して成長することのできる種はごく僅かである。強そうに見えても、街中で生きていくのは大きな植物ほど難しいのだ。

写真追加(2016.4.28):「ナガバギシギシ」の写真を追加しました。
写真:zassouneo
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