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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

マツバウンラン/帰化種のウンラン類を集めてみる

マツバウンラン(松葉海蘭)/オオバコ科/マツバウンラン属
北アメリカ原産の帰化植物 1年草/越年草 花期は5〜7月

1941年に京都の伏見区向島で帰化が初めて確認されたという。気の早い花は3月の下旬には咲いている。名前の由来は「ウンラン」に似ているが、葉が松葉のように細いことから。「ウンラン」とは「海蘭」と書き、「蘭」に似た花をつける海辺に咲く日本の在来種である。「マツバウンラン」に関してはこんなところである。写真を載せたかったが著作権の問題があるので諦めた。科学的、博物学的な事柄にはさほど興味がないので、その辺りの記述はしない。それでは、ぼちぼちと横道に逸れていこう。

まず「ウンランに似ている」と書いたが、「ウンラン」の花は白く、中心部がオレンジ色で、植物本体は地面に這うようにのびる。「マツバウンラン」とはかなり異なっている。では他の「ウンラン」はどうであろうか。比べてみることにした。
上の写真:「マツバウンラン」。最初はいわゆるロゼットの形で広がり、成長するにしたがって茎が立ち上がり直立するようだ。

最初にお断りしておくが、写真が無いものが何点かある。無料画像サイトを5〜6ヶ所回ったが、なかなか「ウンラン」の写真が見つからない。理由は簡単だ。綺麗な園芸種ならいざ知らず、所詮は雑草である。価値が無いと判断されたのだろう。

まずは①「ホソバウンラン(ウンラン属)」。ユーラシア大陸からヨーロッパ、イギリスが原産地で日本へは大正の初めに渡来したという。花の色や形は「ウンラン」に似ている。異なる点は葉が細いのと、茎が直立していることである。上の写真は海外の無料画像サイトで「ウンラン」で検索したものだ。写真の左下に細い葉が見えるので、この花は「ウンラン」の1種の「ホソバウンラン」だと思う。 

次に②「キバナウンラン(ウンラン属)」(写真無し)。1995年に渡来が確認されたというから、ごく最近のことだ。おそらく観賞用のものが帰化したのだろう。花の色は黄色で葉も細く、また植物が直立している点が在来種の「ウンラン」とは異なる。①の「ホソバウンラン」に似ているが、「キバナ」の名前通りに花全体が黄色である。

③「ムラサキウンラン(ウンラン属)」(写真無し)。花の色は赤紫色。園芸種として輸入されたのだろう。渡来時期は明治の末だという。下に「ウンラン」の仲間らしい草を見つけたので、載せておく。どちらも葉が柳のように見えるので「ヒメキンギョソウ(別名ヤナギバウンラン)」が逸出したものかもしれない。
ここでようやく④「マツバウンラン(マツバウンラン属)」(下の写真)。渡来時期は冒頭にも書いたが、おそらく昭和に入ってからだろう。花の色は薄紫色で中心部は白い。

⑤「オオマツバウンラン(マツバウンラン属)」(写真無し)。名前の通り、大きな「マツバウンラン」である。花は全体が薄紫色で「マツバウンラン」の中心部にあるような白い部分がない。その代わりに細い紫色のラインが中心部から数本のびている。

⑥「ツタバウンラン(ツタバウンラン属)」(下の写真)。園芸種として渡来。大正の初め頃に帰化が確認されたようだ。花の色と葉の形が「ウンラン」とは違う。横に這っているところは在来種の「ウンラン」のようではあるが。 

こうやって並べてみると葉の形は様々だが、花は似ている。なお「〜ウンラン」の名がつく植物は全部で10数種あるが、日本のものは「ウンラン(海蘭)」の1種しかなく他は全部外来種である。「ウンラン」だけでも、これだけの数が帰化しているのである。

写真:zassouneko&無料画像サイトより
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