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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

カタバミ図鑑/ただし名古屋市東区限定です

このあたりでも数種類のカタバミ(片喰/酢漿草)を見ることができます。花期は春〜秋ですが、葉っぱだけの状態なら一年中見かけます。他の植物とカタバミを見分けるのは意外と簡単で、地面に這うように生え、花びらは5枚、葉は3枚1 (三出複葉という) 「葉がハート形」というのが一番の特徴です。地面を這うように生えているのは、地下茎が横にのびていき、そこから地表に葉や花を出すからです。 クローバーも似ていますが、クローバーの葉はハートではなく、円に近い形です。カタバミは帰化種も含めて20種ほどが日本に自生しており、世界には800種以上あるといいますから、これからも目新しい種が園芸用として日本に入ってくることでしょう。そして日本に適応できたものは、帰化種として定着していくと思われます。これはカタバミに限ったことではありませんけど。カタバミに関していえば、環境省の「要注意外来生物」には「ムラサキカタバミ(後述)」が載っています。
カタバミの名前の由来は2015.6.7記載の「カタバミは意外な所で人気者」をご参照ください。
では、まずは街でよく見かける日本の在来種から。
①カタバミ(上の写真) これを基本形として残りの3つを説明します。
②アカカタバミ(上の写真)「カタバミ」と形は同じですが、葉が赤褐色で花の中央が濃いオレンジ色になります。 
③タチカタバミ(写真はありません) り茎や葉が上に伸びますから、地面を這っているようには見えません 。ただ後で紹介する帰化種の「オッタチカタバミ」ほどは背が高くなりませんし、葉も多くはありません。少し背の高い「カタバミ」といったところでしょうか。
④ウスアカカタバミ(上の写真)「カタバミ」と「アカカタバミ」の雑種。葉が薄っすらと赤褐色を帯びています。また全体が「アカカタバミ」のようであっても、花の中央がオレンジ色にならないものも見かけます。色に関していえば「カタバミ→ウスアカカタバミ→アカカタバミ」の「矢印」の部分にあたるような存在なのかもしれません。ここまで4種類を紹介しましたが、その全てを「カタバミ」に含めるとする説もあるようで、ウィキペディアには「カタバミ」しか記載されていません。ただ「アカカタバミ」の茎や葉がのびて、「タチカタバミ」のようになっているものは見た記憶がありません。「アカ(色)」と「上へのびる(性質)」は、遺伝子が同時に発現しないということでしょうか。まあ、私が見かけないだけかもしれませんけど。他には花の白い「ミヤマカタバミ」や「オオヤマカタバミ」があるようですが、これらは森や林に咲きますから、街中で見かけることはないでしょう。私も見たことはありません。

ここからは帰化種になります。いずれも観賞用として輸入されたもので、その後帰化しました。
⑤オッタチカタバミ(上の2つの写真)北アメリカ原産 多年草。カタバミ類はふつうは地下茎から花や葉がのばしますが、「オッタチカタバミ」は地上にのびた茎から花や葉が次々と出てきます。在来種の「タチカタバミ」より背が高くなりますし、1ヶ所から葉が何本も生えるのが特徴です(円内参照)。
⑥ムラサキカタバミ(上の写真)南アメリカ原産 多年草で地下にある鱗茎で増える。雄しべは白い。要注意外来生物
⑦イモカタバミ(写真はありません) 南アフリカ原産の帰化種。多年草で鱗茎で増える。「ムラサキカタバミ」によく似ています。「ムラサキカタバミ」の雄しべの色は白ですが「イモカタバミ」は黄色です。また「イモカタバミ」は「ムラサキカタバミ」より花の色が濃い。この3つ(⑤〜⑦)は江戸の末期頃に観賞用として輸入されました。
⑧ハナカタバミ(上の2つの写真)南アフリカ原産の帰化種。多年草で塊茎で増える。第二次大戦後に初めて確認されました。昭和に入ってから日本にやってきたのでしょう。花の色はピンクで、花弁は在来種と比べるとかなり幅広で丸い形をしています。
上の2つの紫の葉をもつカタバミも、あちこちで見かけます。ブラジル原産ということです。ただ本当に帰化したかどうかはわかりません。しかも名前がはっきりとしていないのです。「レグネニー」「トリアングラリス」「トライアングラリス」「フォルス・シャムロック」「紫の舞」などといろいろな名前で呼ばれています。まだ名前とイメージが日本に定着していないようです。それにしても「紫の舞」という名前はどうなんでしょうかね。「ムラサキノマイ」ですか。カタカナで書くと漢字が想像できません。この植物も上の「ハナカタバミ」も園芸種として育てると、花がたくさん咲きます。ただ帰化して自生するようになると花の数は少なくなるようです。生育条件が厳しくなりますからね。上の写真は自生しているか、植えられてから数年目のものと思われます。下の写真はプランターに植えられていたものです。

写真:zassouneko
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