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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

ユウゲショウ/化粧とジェンダー

ユウゲショウ(夕化粧)/アカバナ科/マツヨイグサ属
アメリカ南部原産の帰化植物 多年草で花期は5〜9月 別名はアカバナ(ベニバナ)ユウゲショウ

明治から大正にかけて観賞用として輸入されたものが全国で帰化しているようだ。名前の由来は「夕方から咲き始め夜にしぼむから」というものだが、実際の花は昼過ぎには咲く。また「◯◯マツヨイグサ」や「◯◯ツキミソウ」といった名前にならなかったのは、それらのイメージと合わないということもあるが、おそらくは洒落た名前で消費者にアピールしようとしたのだろう。ただし、これはあくまでも推測であり、それを裏付ける資料はない。しかし「夕化粧」ですよ。学者が名付けたにせよ、業者がそうしたにせよ、いかにも「含み」のある名前ではないか。名付けたのは間違いなく男だろうな。このように植物の名前には当時の世相や庶民感情が反映されることがままあるのだ。

「コマツヨイグサ(2015.11.4)」もそうだが、住宅地の庭などで時折見かけることはあった。いかにも園芸種という感じで、調べる気にはならなかった。まさか帰化しているとは思わなかったのである。しかも「マツヨイグサ」の品種の一つだったのだ。はるか昔、私が小学生だった頃に、集団登校の集合場所になっている空き地があった。夏の夜にそこへ行くと「マツヨイグサ」の大きな花がいくつも咲いており、その周囲を「スズメガ(雀蛾)」が何匹も飛び回っていた。後になって「マツヨイグサ」は虫媒花であり、「スズメガ」は花の蜜を吸いにやってくるのだと知った。また「マツヨイグサ属」は日本には自生しておらず、現在あるのは全て帰化植物である、というのは10分前に知った。

「アカバナ科」という聞いたこともない科であるが、「赤花」というのは花の終わり頃になると茎や葉が赤くなることから名付けられたという。在来種にそのものずばりの「アカバナ(アカバナ属)」がある。

「ユウゲショウ」は環境省の「要注意外来生物」には指定されていないので、おとなしい性質のようだ。そうはいっても国土の面積は限られているので注意は必要である。それでも遠い異国の地でひっそりと咲いているのを見ると、つい感傷に浸ってしまうが、植物にとっては国境など関係なく、世界中が我が家であるのだから、それこそ余計なお世話というものだろう。またタイトルに深い意味はありません。雰囲気でなんとなく付けただけです。
写真:zassouneko
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