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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

ススキ(薄)とオギ(荻)の違い/図解入り

●ススキ(薄)/イネ科/ススキ属/在来種 多年草 花期は7〜8月(資料によって時期は違う) 別名はオバナ(尾花)
オギ(荻)/イネ科/ススキ属/在来種 多年草 花期は9〜10月
両者の主な違い
●ススキ(上図右側)は内陸に生えるが、オギ(上図左側)は湿った土地を好むので池や川などの近くに生えます。
●ススキは1ヶ所からまとまって伸びますが(叢生といいます)、オギは「根茎」に沿って1本ずつ生えます(上図参照)
●ススキの葉は根元から多く生えますが、オギの根元にはほとんど見当たりません(上図参照)
●ススキの「芒(のぎ)」は長めですが、オギには見当たりません。あったとしてもごく短い「芒」です(上図参照)。
●オギの毛は白く、ススキより長い。ススキの毛は薄い紫や茶色が混じる。また全体の毛がはっきりとした紫色なら「ムラサキススキ」の可能性があります。

植物からガラスを作る?
ススキの葉の縁には、肉眼でも確認できるほどの鋭い突起が並んでおり、不用意に触ると手などに怪我をします。簡単に言うと、小さなガラスの破片が葉の縁に沿って並んでいるようなもの、と思ってください。ススキに限らず、イネ科の植物は土中からケイ素(シリカ)を吸収することができ、それを使って茎や葉の強度を増しています。ケイ素は植物の中では二酸化ケイ素の形になります。また自然界でも石英という結晶の形でケイ素は存在しています。そこに含まれるケイ素に不純物が少なければ少ないほど、石英は透明度を増します。たまにTVで「ススキからガラスを作る」という番組を見かけますが、乾燥したススキを燃やしただけではガラスはできません。ケイ素(シリカ)はガラスの材料の一部でしかないからです。

人との関わり
ススキやアシ、オギなどは丈夫で油分も含んでいますので水を弾きます。これらを総称して「茅(カヤ)」と呼びます。茎の部分が世界遺産の白川郷の屋根材としても利用されています。それが「茅葺き屋根(カヤブキヤネ)」です。「藁葺き屋根(ワラブキヤネ)」ではありません。「藁(ワラ)」は稲や麦の茎を指します。水分を吸収し、早く腐ってしまうので屋根には向きません。

イラスト&写真:zassouneko
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