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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

セイヨウキヅタ/コンクリートの街で生きる術/その1

セイヨウキヅタ(西洋木蔦)/ウコギ科/キヅタ属
(ここでは「セイヨウキヅタ」を1つの種ではなく、様々な品種(アイビー全般)を含めて取り上げています。)
ヨーロッパ原産のつる性常緑低木  花期は10〜11月

この頃はやりの外来種〜♪ 模様がキレイな外来種〜♪
このブログでは「園芸種」や「木」は取り上げない方針であるが、この植物を扱わない訳にはいくまい。どこの街へ行っても4〜5分も歩けば必ず見つかるのだ。あなたも毎日のように見ている筈である。否定されるかもしれないが事実なのだ。この植物は品種が多く、葉が小さいものやエメラルドグリーンの色をしたもの、葉の縁がクリーム色をしているものなど多彩だ。常緑で冬も枯れないし、しかも手入れは楽だといいます。ほら、あれです。マンションのエントランスの脇などの植え込みに生えているやつです。ほら見てるでしょう。
上の写真は歩道脇のガードレールに巻きついた「セイヨウキヅタ」の葉。いろんな形があるので困ってしまう。成長段階によって葉の形が違うのだ。

マンションの脇などに地面に這うように植えられる場合が多いが、「つる性植物」であるので、管理を怠れば支柱がなくとも平らな壁を這い登る。当然、一戸建てでも同様なので空き家にしておくと「キヅタ」に覆われてしまうハメになる。

蔦と清少納言
「西洋木蔦(セイヨウキヅタ)」というからには「日本」の「木蔦(在来種/ウコギ科)」もある。また「木」が付かない「蔦」もいる。それが「ツタ(蔦)/ブドウ科/ツタ属」で、日本の在来種だ。おいしい「ブドウ」の仲間である。この「蔦(ブドウ科)」から甘味料の「甘葛(あまずら)」が採れる。「枕草子」42段に「あてなるもの(上品な)」として現在のかき氷にあたるものが記載されています。
「あてなるもの(上品なもの)。創(けづ)り氷(ひ)にあまづら入れて、あたらしき金鋺(かなまり)に入れたる・・」
清少納言さん、上品なものじゃなくて「冷たくて甘くてサイコー」と何故書かない。ちょっと気どりすぎです。それはさておき、さすがに「蔦」は在来種だけあってエピソードが多い。探すと際限なく広がってしまうので止めます。

追記・訂正:「セイヨウキヅタ」を「アイビー全般」と定義して、書き換えました。(2015.211.3)

追記&ご注意:「セイヨウキヅタ」は今では「アイビー」などというポップな名前がつき、50種以上の品種がある。そうなると元となった種を探さねばならないが、はっきりとしたものが見つからない。これも困った。悩んだあげく外来種である「セイヨウキヅタ」として記載した。「アメリカキズタ」というのもあるが、葉の形があきらかに違う。はっきりしなくて申し訳ない。(2015.10.23)(2015.11.3一部訂正)

写真:zassouneko 撮影:2015.10.21
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