ここからは余談であるが「草餅」は上新粉(米粉)で「笹だんご」や「菱餅」は餅米で作られている。まあ食べる方からすればどうでもいいことである。私は「あんこ」が好きで、それも「コシ」より「粒アン」だ。好物といっても、しょっちゅう買う訳ではないが、たまにコンビニで「あんドーナツ」を買わずにいられなくなる。別に映画「妖怪大戦争」の影響ではない。
「草餅」などの食用に利用されるのは「ヨモギ」の春の若葉であるが、利用法は食用ばかりではない。「ヨモギ」は漢方薬の世界では万能薬といってもいい。簡単にあげると胃腸薬、高血圧、切り傷、虫さされ、かゆみ止めや入浴剤でもOK。どうやら多量に含まれている葉緑素(クロロフィル)が抗菌剤としても優秀で、免疫を高める効果もあるということらしい。また変わったところでは織田信長が「ヨモギ」から黒色火薬の原料の一つである硝石を生成したという話もある。「ヨモギ」の薬効について興味がおありなら「ヨモギ、漢方薬」で検索をかけて信頼できるサイトを参考にしていただいた方が参考になると思う。
「蓬莱山」とは古代中国で考えられていた空想の山で、陸から東に遠く離れた島にあり、そこには仙人が住んでいるという。伝わっている話としては始皇帝の命を受け探索に乗り出した、いわゆる「徐福伝説」が有名である。人にとって万能とも思える効能を誇る植物と同じ名の「蓬」という字が使われているのは偶然ではないような気がする。と、意味深な発言をしても元々は間違って付けられた名前であることを忘れてはいけない。それに後年、日本にもこの話は伝わっており、日本の東の海上に「蓬莱山=極楽」があると言われるようになった。ひょっとしてその場所はハワイのことか。
写真:zassouneko
冒頭の写真(「オオヨモギ」と思われる)は3月下旬、上は8月中旬撮影(こちらは「ヨモギ」だと思うけどなあ)。