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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

ツルにがんじがらめの日々


「一体誰なんだ、お前は。」と言いたい気分でもある。

仕事の都合で時間がとれないこともあるが、なかなか新しい原稿が書けなかったのだ。なぜなら大きな壁にぶつかっているのである。その壁とは名前を突き止められない植物がいくつもあることだ。というよりは、ただ解決を先送りにしていたものを、そろそろ片付けなければならない時が来たような気がする。名前もわかっていて来年になったら書こうと思っている雑草はいくつかある。書かないのはブログに載せるのに適当な写真を撮ってないからである。だが写真があるのに作業が進まない雑草もある。白状すれば上の写真のような「つる性」の植物の正体がさっぱり分からないのだ。

つるで巻きつくと言えば、真っ先に「アサガオ」が思い浮かぶぐらいで、考えてみても「つる性」の植物にはほとんど馴染みがない。「キュウリ」や「ヘチマ」、「カボチャ」「スイカ」などの野菜類はともかく、雑草となるとあまり記憶にない。「ヒルガオ」や「ヘクソカズラ」、「ヤブガラシ」のように特徴があり、よく知られているような雑草はまだいいが、その他はさっぱり手がかりがつかめない。

なんとか気をとり直して調べていくうちに「つる性」とは自立せず、他の植物や建物などに巻きついたり、くっついて成長するものの総称であることが分かった。つまりターザンがジャングルでの移動に利用したり、インディー・ジョーンズがぶら下がったりする植物のことである。私はそれらを「ツタ」と呼んでいたが、それは大きな間違いであった。「ツタ」は「蔦」と書き、ブドウ科ツタ属の植物だ。世間の噂では「ツタ」は古びた洋館やチャペルに絡まっているらしい。またアメリカ東部のいくつかの名門大学を指す言葉に「アイビーリーグ」というのがあるが、「アイビー」は「ツタ」のことである。「ツタ」が学舎をすっかり覆いつくすまでの長い時間を、歴史や伝統の象徴としているのだ。

「つる性」植物は蔓草(ツルクサ)と呼んだり、葛(カズラ)と呼んだりする。葛は四国にある「カズラ橋」が有名である。また葛は「クズ」と読むとマメ科の秋の七草の一つを指し、「つる性」の植物である。ややこしい。この「葛(クズ)」は日本の在来種で、近年アメリカで猛威をふるっているようだ。ある地域では山という山が「クズ」で覆われてしまう程の勢いで、住民も困っているという。やっぱり外来種(アメリカにしてみれば)は強いということか。


「つる性」の性質を持つ植物の科は50ほどあるようだ。日本に自生している植物(シダ、草、木)は全部で5,000種ほどあるというから、木やシダを除いて単純計算すると(強引に三分の一にしてみた)、残るは1,600種前後というところか。全部が「つる性」ではないので、2〜300種を検索すれば何とかなるか。とりあえず端から片付けていくか。まずはアイウエオ順で「アカネ科」からか。おいおい「ア行」だけで9つの科が「つる性植物」を含んでいるぞ。やれやれ、成果を発表できる日はいつ来るのだろうか。
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