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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

ナガエコミカンソウ/この果実は甘いのか

ナガエコミカンソウ(長柄小蜜柑草)/コミカンソウ科/コミカンソウ属
熱帯地方原産(一説にインド洋マスカリン(マスカレーヌ)諸島)の帰化植物 1年草 花期は多分夏 別名;ブラジルコミカンソウ

日本には在来種の「コミカンソウ(小蜜柑草)」と「ヒメミカンソウ(姫蜜柑草)」がある。「小」と「姫」とそれぞれ形容されているが、「小」でも「姫」でもない普通の「ミカンソウ」という草は日本にはない。これは「ジャイアント(大きな)パンダ/クマ科」と「レッサー(小さな)パンダ/レッサーパンダ科」はいるが、「パンダ」と呼ばれる動物がいないのと同じようなことである。動植物の名前(俗名)にはよくあることだ。たまに混乱を引き起こす。「コミカンソウ」も「ヒメミカンソウ」も在来種であるが、原産地はセイロン島といわれており、数千年前に稲などと共にやってきたと考えられている。いわゆる史前帰化植物である。

名前の由来は葉の裏にミカンにそっくりの実を一列につけるからである。3〜4mmのとても小さな実で、本当にミカンそっくりである。熟したら味見でもと、興味が湧くが止めた方がいいだろう。「コミカンソウ科」となっているが(最近の分類法での表記だろう)、以前は「トウダイグサ科」になっていた。「トウダイグサ科」は毒草が多い。ご注意を。

「ナガエコミカンソウ」も最初は在来種の方だと思っていたが、蕾のついている場所がおかしいと気付いた。在来種はこれほど蕾の「柄」が長くないし、在来種の蕾は葉の裏側に付くからである。調べた結果、「ナガエコミカンソウ」と判明。しかも最近(1990年頃から)になって帰化が確認された新人さんであった。

「ナガエコミカンソウ」はさておき「コミカンソウ」も「ヒメミカンソウ」も昔からの在来種なのだが、どういう訳だかエピソードが何もない。あんなに特徴ある実をつけるのに、古典作品や和歌などにも取り上げられていない。ちょっと気の毒な気もする。在来種の先輩がこの有様なので、新人にエピソードがある筈もない。今回は写真が中心です。

これが多分「コミカンソウ」。葉の裏にミカンのような実が並んでいる。
下の写真は葉っぱが似ている「オジギソウ」で「マメ科」に属する。ご存知のように触れると即座に葉を閉じる。とても面白い草だ。注意すべきは「オジギソウ」には「棘」があるのだ。これがなかなか痛いぞ。
写真:zassouneko
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