忍者ブログ

雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

ハゼラン/新しい友達ができたよ

ハゼラン(爆蘭)/スベリヒユ科/ハゼラン属
熱帯アメリカ原産の外来種 多年草 花期は6〜9月 別名:「サンジソウ(サンジバナ)」「ヨジソウ」「ハナビバナ」

●葉は食用となる。

名前にある「爆ぜる(はぜる)」は「草木の実などが熟しきって裂ける。また割れて飛び散る。はじける。(goo辞書)」の意味だが、言葉通りにとらえるとこの草の実も「爆ぜ」なければいけないわけである。7つほどのサイトを見てみたが、どこにもそのような記載はない。1つだけ「種子が爆ぜる」と書いてあった。あとは小さな蕾が次々に開花する様子を描写したものだとある。要は「よくわからん、命名者に聞いてくれ。」ということのようだ。

明治の初期に観賞用として輸入され、そのまま帰化したようだ。環境省の「要注意外来生物リスト」には載っていないので、今のところ被害は少なそうである。この花を何ヶ所かで見かけたが、いずれもひっそりとあまり目立たぬように咲いている。なんだか奥ゆかしい花だ。

別名の「サンジソウ」「ヨジソウ」はいずれも時刻を表しており、午後の3時頃に開花することからつけられた名前である。「ハナビバナ」は小さな蕾を線香花火に見立ててのことだ。
この花は「スベリヒユ科」に属している(一部にハゼラン科という記載もあるが)。隠れた山菜として評価の高い「スベリヒユ」に友達ができてほっとしている。なんせそれまで「スベリヒユ科」というと他には園芸種の「マツバボタン」しかいなかったからである。同じ「スベリヒユ科」ということは食べられるのでは、と思ったら書いてありましたよ、「熱帯では茹でて食用にする」と。

「ハゼラン」はどちらかと言うと地味な草に思える。帰化した野生種で栽培種とは花の様子が違ってくるのはあるだろうが「ラン」は言い過ぎだろう。だいいち「蘭(ラン)」の仲間でもない。まあなんとなく異国の香りがしないでもないが。ひょっとして景気付けに「ラン」と名付けたな。今なら公正取引委員会に不当表示で警告されるぞ。

※追加と訂正と補足情報2015.0920/で「ハゼラン」をスベリヒユ科と記載していますが、これは従来の分類体系(クロンキスト体系と新エングラー体系)によるものです。20世紀末から新たな分類方法としてAGP体系が登場しました。これは遺伝子情報を元にした分類方法のようですが、詳しい内容は知りません。特に興味もないし。まあとにかくAGPⅢによると「ハゼラン」はハゼラン科になるそうです。DNAを参考にした分類方法と聞くと科学的で絶対的のような気がしますが、まあ分類方法の一つだと思っています。花の色や葉の形で分類するのも(昔の人はそうしていた)、物事を整理するという意味では間違っているとはいえないからです。まあ選択肢が増えたということはいいことです。
写真:zassouneko
PR