コメヒシバ(小雌日芝)/イネ科/メヒシバ属
在来種 1年草 10〜30cm 花期8月〜10月
以前、メヒシバ(雌日芝)を紹介する際に余りにもエピソードが無いので困惑したことがある。それにも増してコメヒシバ(小雌日芝)である。「メヒシバ」より「小さなメヒシバ」という意味である。紹介終わり。
この辺りではそこら中で見かける草である。ところが、この植物の名前が中々判明しなかったのだ。候補が他にもあり見分けがつかなかったのである。「アシボソ(脚細)」と「ササガヤ(笹萱)」で迷っていた。この2つはイネ科ササガヤ属だ。アシボソは一番下の茎の部分が急に細くなっているので「脚細」、ササガヤは葉っぱが笹に似ているから「笹萱」というのだが、コヒメシバも何となく脚が細く見えるし、葉っぱも笹に見えなくもない。3者とも最初は地を這うようにロゼット状に成長する。これだけではわからんなー。また「ササガヤ」は茎の途中からでも根が出ると書いてあったのだが、上記の写真の雑草も根が出ている。根に近い方の茎は濃い赤紫色をしており細い。うーん、どうなんだろうか。
結局、この文章を書き始めるまでに2週間ほど悩んだのだが、取り敢えず次の基準で写真の雑草を「コヒメシバ」とした。まず「メヒシバ」に似ているがそれより小さいこと。これは生育場所の環境などにより個体差があるので何ともいえないが、全体的に小さい印象があるものを「コヒメシバ」とすることにした。この辺は適当だが、そうでも決めないと次に進めないのだ。次に「ササガヤ」との違いだが、まず葉っぱの形が違う。「ササガヤ」は葉っぱがもっと短い。上記の写真の葉っぱより3分の2から半分ぐらいの長さしかない。「コヒメシバ」と「アシボソ」との葉っぱの違いはよくわからないが、一番わかりやすいのは茎の先端の花穂のつき方である。「メヒシバ」も「コヒメシバ」も大体1点から分かれて出てくる。全部ではないが必ず向かい合った位置から生えている。ところが「ササガヤ」と「アシボソ」は花穂の生えてくる場所が少し離れている。つまり頂点の1本から少し離れたところから右に2本目が生えると、そこから離れた場所から3本目が左に生えてくるといった具合である。また「ササガヤ」は成熟すると花穂が頂点の1本は別にして、斜め下に向くようになるという。そんな状態になっているのを、まだ見たことはないが。
と色々と書いたが本当は自信が無い。例えば下の写真は左が「コヒメシバ」で右が「メヒシバ」だと思うのだけれども。両者とも「メヒシバ」の可能性もある。あー、普通すぎて難しい。