忍者ブログ

雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

コニシキソウと浮世絵

コニシキソウ(小錦草)/トウダイグサ科/ニシキソウ属
北アメリカもしくは中央アメリカ原産といわれている。一年草。花期は6〜9月。

1887年(明治20年)に渡来。1895年に帰化を確認。非意図的侵入だと思われる。牧草などに混入していたのかもしれない。

在来種に「ニシキソウ」がある。「錦」は色彩豊かで美しいという意味だ。「ニシキソウ」の名前の由来は茎の赤紫と葉の緑の対比が鮮やかだったことからだろう。日本文化を象徴する浮世絵版画は当初は墨だけの地味なものだったが、多色刷りになることによって「錦絵」と呼ばれるようになった。幕末の混乱期に官軍が使用した「錦の御旗」は幟旗の全面がほとんど赤一色なので、その部分のみ強く印象に残るが、錦=赤ではない。錦の色を定義するのは難しい。イメージとしては、ゆったりと泳ぐ色とりどりの錦鯉の群れの様子といったところか。よう知らんが。

地面から生えている茎を中心に四方へ放射状に広がるように成長する、いわゆる「ロゼット」の形になる。「コニシキソウ」は「ニシキソウ」に比べると「小さいから」という意味であるが、実際の大きさにさほどの違いはないようである。「コニシキソウ」はすべての葉の中心あたりに赤紫色の点があるので「ニシキソウ」との区別は容易である。また「夏から秋に汚紅色の花序をつける」と図鑑にはあります

折ると白い汁がでるので「乳草」ともいうとあるが、それだけではタンポポを始めとするたくさんの植物が該当してしまう。これは名称ではなく草の特徴を表現した「印象」による分類方法なのだ。「折ると白い汁が出る」植物の総称である。


イラスト&写真:zassouneko
PR