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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

越冬する雑草たち

久しぶりにブログを書く。一か月以上更新しなかったのは、雑草たちも寒さでおとなしくしているからで、要は現在進行形のネタがないのである。

2016年になったと思ったら、あっという間に2月である。新暦(グレゴリオ暦)の2月8日は、旧暦(太陰太陽暦=日本の暦)でいうと1月1日にあたる。季節の実感が伴っている旧暦ならではというところだろうか、「立春」の言葉どおりに、雑草たちも活動を始めたようだ。そして2月の14日(新暦)ともなれば、平安時代には「若菜摘み」、現在だと「七草粥」の日になるわけだ。これが新暦の1月7日では、植物自体が芽吹いていないだろう。中にはこれから紹介するような越冬する植物もいるだろうが、それを「若菜」と呼ぶのは、正しくない気がする。ところが2月に入れば、一部の植物はすでに通常モードである。そうでなければ「若菜摘み」などという行事が生まれるわけがないのである。

ここ名古屋でも1月の下旬と2月の始めに少し雪が降った。降ったといっても積雪は数センチほどなので、都市高速が通行止めになるぐらいで、さほど混乱があったわけでもない。この程度の積雪では雑草たちには何の影響もないだろう。春から初夏にかけての、燃え上がるように繁茂する植物たちの生命力を、この時期に目にすることはないが、寒い季節でも着実に成長のプロセスを積み重ねている。今回は、静かに春を待っている雑草たちを紹介しようと思う。
まずは「アメリカオニアザミ(外来種/2015.5.31記事)」。去年のクリスマスの頃に撮ったものである。拡大して見ていただくと、お判りになるだろうが、鋭い針で身を守っている。この針が本当に痛いのである。そして順調に生育すれば初夏には下のような大きさとなる。
次は「ホトケノザ(在来種/2015.6.3記事)」である。これは2月の初めに撮影したものだ。葉の中央がうっすらと赤紫に色づいている。やがて蕾が現れてくるだろう。この草は春の七草にも詠まれているが、そこでいう「ホトケノザ」は、実は「コオニタビラコ」のことを指しているというのが現代の定説になっている。人がつけた名前が無用な混乱を生んでいる。「ホトケノザ」にしてみれば、いい迷惑である。
上の写真は「ミチバタナデシコ(外来種/2015.6.3記事/つい最近までは学会でもイヌコモチナデシコと呼んでいたようである)」である。1月の下旬に撮ったものだが、すでに花が咲いている。ずいぶんと気が早い。もっとも、こうでなければ外来種が日本で繁栄するような事態にはならないのである。すぐに種ができるであろうから、夏前には発芽して、もう一度花を咲かせるだろう。繁栄するわけだ。
上の写真は「オランダミミナグサ(外来種/2015.5.24記事)」。これも1月の下旬の撮影だ。春の七草の「ハコベラ」と同じ「ナデシコ科」の雑草である。清少納言の「枕草子」にも書かれている「ミミナグサ」は日本の在来種であるが、こちらは外来種である。茎の部分が紫がかっているのと細かな毛が全身にあるのが日本のものとは違っている。「ハコベ」と同じ科で、春先には成長を始める。残念ながら、この近辺では在来種の「ハコベラ」を見かけないので、外来種に「若菜摘み」の時期を教えてもらっているようなものである。
マメ科の「カラスノエンドウ」である。日本の在来種で、秋に芽が出てそのまま越冬する。若い芽や熟した実(豆)は食用になるという。

2月に入ってから少し日差しが力強さを増した気がする。これが春の気配だろうか。

写真:zassouneko
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