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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

イヌタデ図鑑/ただし名古屋市東区限定です

イヌタデ属はタデ科の「イヌタデ」を代表とするグループで、そのほとんどを在来種が占めています。帰化種もいくつか確認されていますが、いずれの種も環境省の「要注意外来生物」には指定されていませんので、日本の在来種が脅かされているというわけではなさそうです。あくまでも今のところはですが。それはさておき、イヌタデの仲間はわかりやすい特徴を持っています。茎の先端に赤い穂が付くことです。いろいろと種類がありますが、ざっくりと紹介していきます。そうそう、赤い花のように見える部分は「萼(がく)」で、花びらではないそうです。紛らわしいですね。

↑まずは「イヌタデ(2015.5.26記事参照)」です。よく似た種に「ハルタデ」というのがありますので、ひょっとしたらそちらかもしれません。そこら中で見かける、よく知られている雑草の一つです。
↑こちらは「オオイヌタデ」(上記写真)で、初めて見ました。穂の色が赤くありませんし、名前通りに「イヌタデ」に比べてかなり大きいです。穂の部分の大きさの目安は「エノコログサ」ぐらいといったところでしょうか。「イヌタデ」と比べると、かなり大きくて立派です。これは東区の「車道商店街」の通り近くに生えていました。季節は10月の中頃だったと思います。普段は行かない場所ですが、今まで見たことのない雑草に会うことができました。この場所は道路拡張のために、今は更地になっています。これはあくまでも想像ですが、今まで家屋の下の地中に埋まっていた種子が発芽したのではないでしょうか。適当な環境下であれば、種子は数十年は休眠状態を保つことができます。二千年ほど前の地層から発見された蓮の種が、発芽して花を咲かせたということもありますから(大賀ハスで検索)。
上記の写真は「サナエタデ(2015.8.9記事参照)」だと思いますが、これも不確かです。写真をいろいろと比較してみても、どこか違うような感じがしたり、合っているような気がしたり。結局「サナエタデ」以外の選択肢が見つからないので、とりあえず「サナエタデ」としました。
上の写真は「ミズヒキ(2015.10.4記事参照)」です。穂の部分が「イヌタデ」に似ているといえば似ていますが、ずいぶんと間隔が空いています。また赤紫色の「イヌタデ」に比べると、ずいぶんと赤い色をしています。「ミズヒキ」の名前通りに紅白の赤色といった感じです。よく庭に植えられているのは見かけますが、雑草として自生しているものは少ないように感じます。去年1年で道端(つまり雑草として自生している)で見かけたのは2回だけでした。
ここまでに挙げた4つは日本の在来種です。
ここから外来種になります。上の写真は一般的に「オオケタデ」と呼ばれ、中国やインドを含む東南アジア原産で、18世紀の初めの江戸時代に日本に入ってきました。全身に細かな毛があるのが特徴です。別名が「オオベニタデ」「オオタデ」「ベニバナオオタデ」などといろいろあり、「ハブテコブラ」「マムシグサ」と呼ぶ場合もあります。この名前で呼ばれた理由は、毒蛇に噛まれた時の解毒剤として考えられていたからですが、残念ながらその効果は期待できないようです。大きな穂が蛇を連想させたのかもしれません。もともとは漢方薬というよりは園芸種として輸入されたようです。この植物を初めて見かけた時には、近所の人が苗でも植えたのだろうと考えていました。それほど大きくて綺麗な色をしていますから。ところが、とっくに帰化していたんですね。
外来種の「ヒメツルソバ(2015.7.4記事参照)」です。「オオケタデ」と同じく東南アジアが原産で、明治時代に観賞用として輸入されました。「イヌタデ」の穂の部分が丸く密集したと考えれば、同じ仲間といってもうなずけます。色も似ています。この写真を撮ったのは12月の中頃ですが、面白いことに1年中この形をキープしています。花のように見える部分が花じゃないからですね。この植物も「イヌタデ」同様、あちこちで見かけます。グラウンドカバーとしての需要があるので、人の力を借りて勢力をのばしているようです。

写真:zassouneko
追記(2016.1.27)文章を追記しました。
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